六訂版 家庭医学大全科 「陰茎がん」の解説
陰茎がん
いんけいがん
Penile cancer
(男性生殖器の病気)
どんな病気か
陰茎(ペニス)の皮膚から発生する
原因は何か
陰茎がんの発生要因として
包茎の場合、包皮内の
症状の現れ方
通常、陰茎にできた痛みのない
検査と診断
体表にできるため、肉眼的にがんの診断がつきますが、尖圭コンジローマ、
治療の方法
①手術
がんが陰茎と鼠径部のリンパ節まででとどまっている場合には、手術で摘出します。全身麻酔で病変から約2㎝離れた部位で正常の陰茎を切断し、新たに尿の出口を形成します。根元から切断する場合は尿の出口が女性と同じような位置にくるので、座って排尿するようになります。
転移が疑われれば、鼠径部のリンパ節も同時に摘出します。はれていなくてもリンパ節を摘出し転移の有無を調べることもありますが、後遺症として下肢のむくみが残ることが多いようです。
②放射線療法
初期のがんに対しては手術と同じように有効ですが、亀頭を越えて広がっているような場合には、放射線だけで完全に治すことはできません。手術のあとに残ったがんを消滅させるために補助的に使用される場合があります。
③化学療法
がんが他の臓器に転移しているような場合、および手術で切除していても目に見えないがんが残っている危険性がある場合の再発予防として、抗がん薬で全身的な治療をすることがあります。ブレオマイシン、シスプラチン、メソトレキセート、ビンクリスチンという4種の抗がん薬が有効であるといわれ、これらのいくつかを組み合わせて使用します。
病気に気づいたらどうする
陰茎という場所だけに病院を受診するのがためらわれ、かなりひどい状態になってから受診して手遅れになることが少なくありません。おかしいなと思ったらすぐに診察を受けてください。リンパ節にまで転移していなければ、ほとんどの例が治るがんです。
関連項目
岸田 健
出典 法研「六訂版 家庭医学大全科」六訂版 家庭医学大全科について 情報