隆円(読み)りゅうえん

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「隆円」の解説

隆円(1) りゅうえん

980-1015 平安時代中期の僧。
天元3年3月4日生まれ。藤原道隆の子。延暦(えんりゃく)寺の実因弟子。のち小松寺の住持となった実因にちなみ,小松僧都とよばれる。寛弘(かんこう)8年(1011)権(ごんの)大僧都。摂政関白の子が僧綱になったはじめての例といわれる。「枕草子」に「僧都の君」として登場。和歌をよくした。長和4年2月4日死去。36歳。通称は普賢院僧都。

隆円(2) りゅうえん

1170-1226* 鎌倉時代の僧。
嘉応(かおう)2年生まれ。四条隆季(たかすえ)の子。天台宗道顕にまなび,公胤(こういん)に灌頂(かんじょう)をうける。建久年間宮中で宗義(しゅうぎ)を説く。建保(けんぽ)4年近江(おうみ)(滋賀県)園城(おんじょう)寺で題者(だいしゃ)をつとめた。嘉禄(かろく)元年12月5日死去。56歳。

隆円(4) りゅうえん

?-? 鎌倉時代の仏師
寛元元年(1243)後嵯峨(ごさが)天皇の中宮姞子(きつし)(大宮院)の安産祈願に七仏薬師像を制作。また蓮華(れんげ)王院(三十三間堂)再建に際し,千体仏再興仏師のひとりとして22体の木造千手観音像をつくった。

隆円(3) りゅうえん

?-? 鎌倉時代の僧。
14歳ごろに出家。宝治2年(1248)京都の琵琶(びわ)の名人法深房(藤原孝時)のもとに身をよせ,琵琶を中心とする芸能相承の次第をしるした「文机談(ぶんきだん)」をあらわす。三河(愛知県)出身。通称は文机房。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

367日誕生日大事典 「隆円」の解説

隆円 (りゅうえん)

生年月日:980年3月4日
平安時代中期の僧
1015年没

出典 日外アソシエーツ「367日誕生日大事典」367日誕生日大事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の隆円の言及

【円派】より

…ことに長円は清水寺別当という高位を得たこともあった。13世紀の中ごろに行われた三十三間堂千体千手観音像の修造に活躍した隆円とその弟子たち以降は,ほとんど系譜もわからなくなるが,〈円〉のつく仏師は地方,たとえば福島の乗円,鎌倉の憲円,宗円,泉円,弘円など散見し,作例ものこっている。作風は1177年(治承1)に造立された明円の大覚寺五大明王像,1226年(嘉禄2)に経円(きようえん)の造った金剛輪寺阿弥陀如来像等から判断して,慶派の力強さや院派の繊細さと異なり,定朝様を受けつぐ整ったものといえよう。…

※「隆円」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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