(読み)レイ

デジタル大辞泉 「隷」の意味・読み・例文・類語

れい【隷】[漢字項目]

常用漢字] [音]レイ(漢)
下級召使い。「隷農奴隷
所属する。従う。「隷従隷属
漢字書体の一。「隷書漢隷草隷篆隷てんれい

れい【隷】

隷書」の略。

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精選版 日本国語大辞典 「隷」の意味・読み・例文・類語

れい【隷】

  1. 〘 名詞 〙
  2. しもべ。召使い。隷僕。〔荘子‐田子方〕
  3. 徒刑罪人隷人
  4. れいしょ(隷書)」の略。
    1. [初出の実例]「篆、隷、八分は我邦往古より少しも沙汰する者なし」(出典:二老略伝(1772))
    2. [その他の文献]〔東観余論‐法帖刊誤上・漢魏呉晉人書〕

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普及版 字通 「隷」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 16画

(異体字)隸
17画

[字音] レイ
[字訓] つく・しもべ・したがう

[説文解字]
[金文]

[字形] 会意
祟(すい)+巾(きん)+(ゆう)(手)。隷はその変化した字形。祟の初形は。呪霊をもつ獣の形。隶(たい)の初形は巾を手にもつ形。隷はに巾を加えてその呪霊を移しとる形で、罪・禍を転移する方法である。ゆえに附着の意がある。〔説文〕三下に「附するなり。隶に從ひ、(だい)聲」とするが、声が合わない。罪禍を移されたものを隷といい、神の徒隷とした。〔左伝、成十六年〕「魯の常隷なり」、〔左伝、定四年〕「稷の常隷なり」とはその意である。〔左伝、哀六年〕に、楚に衆赤鳥のような雲があらわれたとき、その禍殃を臣下に移すことを勧められた王が「腹心の疾を除くも、(こ)れを股肱(ここう)に(お)かば、何のかあらん」と断ったところ、まもなくその禍殃も止んだという話がある。

[訓義]
1. つく、身につく、附著する、禍いを転移する。
2. しもべ、下僕、神の徒隷。
3. したがう。

[古辞書の訓]
名義抄〕隷 ツク・カナフ・ヨル・ツカフ 〔立〕隷 ヤツコ・マカス・カナフ・ヨル・ヨシ・ツカヒビト・タグヒ・ツリイル・ツク

[語系]
隷・麗liaiは同声。麗にも附着する意がある。離liaiも声義が近く、離の初義は、とりもちをいう。

[熟語]
隷役隷圉・隷御・隷古・隷戸・隷字・隷事・隷従・隷書隷臣・隷人・隷属・隷卒・隷体・隷農
[下接語]
家隷・楷隷・圉隷・群隷・奚隷・古隷・罪隷・散隷・私隷・廝隷・豎隷・習隷・女隷・臣隷・秦隷・人隷・芻隷・賤隷隷・草隷・卒隷・族隷・籀隷・徒隷・奴隷・隷・陪隷蛮隷附隷・俘隷・氓隷・萌隷・僕隷・輿隷・流隷

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