韓幹(読み)かんかん(英語表記)Hán Gàn

精選版 日本国語大辞典 「韓幹」の意味・読み・例文・類語

かん‐かん【韓幹】

  1. 中国、唐代の画家大梁河南省開封)の人とも長安の人ともいう。玄宗に仕え、太常府丞となる。人物肖像画をよくし、とくに馬の画を得意として、西域産の名馬を描いた。生没年未詳。

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改訂新版 世界大百科事典 「韓幹」の意味・わかりやすい解説

韓幹 (かんかん)
Hán Gàn

中国,盛唐から中唐時代の宮廷画家。生没年不明。馬をかくのを最も得意とした。その出現によって,馬という対象が中国絵画における独立した主題の一つとみなされるようになった。以後,多岐にわたる様式的展開を見せながら,北宋李公麟,元の趙孟頫(ちようもうふ)などを経て,現代の徐悲鴻に至るまで,連綿とその伝統が継承されている。玄宗所有の〈照夜白〉という名馬を描いた原作品を宋代に模写したと考えられる《照夜白図》(メトロポリタン美術館)などが現存している。
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百科事典マイペディア 「韓幹」の意味・わかりやすい解説

韓幹【かんかん】

中国,唐代中期の画家。生没年不詳。天宝年間(742年―756年)玄宗皇帝宮廷画家として仏画人物画を描いたが,特に馬の絵を得意とし,皇帝の西域産の名馬や新種の馬を理想化しながら精妙に描写した。
→関連項目周【ぼう】

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「韓幹」の意味・わかりやすい解説

韓幹
かんかん

生没年不詳。中国、盛唐の画家。馬の画(え)の名手陝西(せんせい)省藍田(らんでん)の人。王維(おうい)に画才を認められて少年時より画業を修め、のち画馬で名高い曹覇(そうは)に学ぶ。天宝年間(742~755)に玄宗朝の宮廷画家となり、名馬、功臣を描いた。馬を好んだ玄宗帝は、当時40万頭に達したという内殿の厩(うまや)の馬をみな韓幹に描かせたという。韓幹はさまざまな名馬を観察して理想の姿や特性を写しきわめ、その画馬は後代の典型となり、後世のこの分野の画に大きな影響を与えた。

[星山晋也]


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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「韓幹」の意味・わかりやすい解説

韓幹
かんかん
Han Gan

中国,盛唐の画家。開封 (河南省) の人。王維に画才を認められ,天宝年間 (742~756) に宮廷画家となる。仏画も手がけたが画馬に最もすぐれ,古今の名手とたたえられた。当時宮廷を中心に集められた名馬を写し「古今独歩」と呼ばれた。伝称作品に『照夜白図巻』 (メトロポリタン美術館) 『神駿図巻』 (台北,故宮博物院) などがある。

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