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風俗犯 ふうぞくはん

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

風俗犯
ふうぞくはん

広義では社会の公序良俗に反する行為一般をいい,猥褻 (わいせつ) 関係の犯罪だけでなく,賭博や宗教上の犯罪をも含むものと解されている。狭義では,猥褻関係の犯罪,重婚罪,淫行勧誘罪など性道徳に反する罪だけをさす。風俗犯は目に見える具体的な実害を伴わず伝統的な風俗環境を害するものとして処罰の対象とされるが,近年,社会情勢の変化とともに風俗の維持に刑罰が介入することを疑問とする主張,たとえばポルノ自由化論などが非犯罪化論の一つとして主張されている。

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世界大百科事典 第2版の解説

ふうぞくはん【風俗犯】

社会の健全な風俗,すなわち道徳秩序・習慣に反するものとして処罰の対象とされる行為の俗称刑法典中,わいせつ・姦淫および重婚の罪,賭博および富くじに関する罪の各章に包摂される犯罪や特別法中,売春防止法,風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律,職業安定法,児童福祉法,競馬法,自転車競技法違反の各罪が含まれるものと考えられる。軽犯罪法や地方公共団体の条例にも関連する規定が存在する。性的犯罪中,強姦罪強制わいせつ罪等は個人の性的自由を侵害する罪であり,社会的法益である風俗を害する罪とは区別されるべきものと考えられる。

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大辞林 第三版の解説

ふうぞくはん【風俗犯】

狭義では、猥褻わいせつ罪など、性道徳に反する犯罪。広義では、賭博罪などの社会の善良な風俗に反する罪を含む。風俗犯罪。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

風俗犯
ふうぞくはん

広狭二義があり、広義では風俗すなわち社会の良俗を害する罪のすべてをいい、刑法上の「わいせつ、姦淫(かんいん)及び重婚の罪(二編22章)、賭博(とばく)及び富くじに関する罪」(同編23章)、「礼拝所及び墳墓に関する罪」(同編24章)を総称するが、狭義では性欲に関する犯罪に限られ、前述の「わいせつ、姦淫及び重婚の罪」だけをいう。なお、現行法上は不可罰ではあるが、かつての姦通罪をはじめ、獣姦等の性的非行も風俗を害する行為である。
 風俗犯につき、刑法の機能との関連で、その処罰根拠と限界に関し争いがある。風俗犯(広義)のうち他人の権利や法益を侵害する場合を除き、単なる性道徳・性風俗といった道徳・倫理の違反にすぎないものは「被害(者)なき犯罪」であり、非犯罪化(刑罰からの解放)すべきであるという考え方が主張されている。また、風俗も社会法益の一種として刑法により保護すべきであるという立場にたつとしても、たとえば「文芸裁判」において文芸作品につき「わいせつ罪」(刑法175条)適用の可能性がしばしば争われるように、猥褻(わいせつ)の概念と基準はかならずしも明確ではない。[名和鐵郎]

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