(小森正明)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報
室町時代の歌人、能書家。飛鳥井雅世(まさよ)の長男。一字名を猿、号を柏木と称す。1473年(文明5)出家して栄雅と号した。官位は従三位権大納言(じゅさんみごんだいなごん)に至った。父雅世の『新続(しんしょく)古今和歌集』撰集(せんしゅう)に次いで、1465年(寛正6)後花園(ごはなぞの)院より和歌撰集の院宣を受けたが、この歌集は完成しなかった。家集に『亜槐(あかい)歌集』がある。『和歌道しるべ』『和学入学抄』『古今栄雅抄』などの歌論書を著すなど、歌壇の中心として活躍したが、延徳(えんとく)2年、74歳で没した。能書家としても著名で、栄雅流(飛鳥井流)の祖として知られる。
[島谷弘幸]
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
…藤原氏北家の流れ。難波家の支流。家格は羽林(うりん)家。平安末難波家の祖忠教の子頼輔は蹴鞠一道の祖といわれたが,その孫にあたる飛鳥井家の祖参議雅経(まさつね)(1170‐1221)も蹴鞠に長じ,飛鳥井流の蹴鞠を興す。また雅経は藤原俊成に歌道を学び,《新古今集》の撰者の一人になるなど和歌にもすぐれ,飛鳥井家が蹴鞠,和歌両道の家として繁栄する礎を築いた。室町時代には権中納言雅世,権大納言雅親(1417‐90)父子が歌道の発展に尽くし,雅世は《新続古今集》の撰者となり,雅親も《飛鳥井家式法》《和歌道しるべ》《和歌入学抄》などを著した。…
※「飛鳥井雅親」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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