食品衛生監視員（読み）ショクヒンエイセイカンシイン

デジタル大辞泉

しょくひんえいせいかんし‐いん〔シヨクヒンヱイセイカンシヰン〕【食品衛生監視員】

食中毒など食品衛生上の危害を防止するために、食品衛生法に基づいて、営業施設等への立入検査や食品衛生に関する指導を行う、国や地方自治体等行政機関の職員。国の食品衛生監視員は、港湾や空港の検疫所で輸入食品の監視指導、および地方厚生局で総合衛生管理製造過程の承認などの業務を行う。地方自治体の食品衛生監視員は、保健所などで地域の営業施設等への監視指導を行う。

出典　小学館

精選版 日本国語大辞典

しょくひんえいせい‐かんしいん‥ヱイセイカンシヰン【食品衛生監視員】

1. 〘 名詞 〙 食品の製造、加工、販売を業とする者の営業所に立ち入り、食品、容器などの検査を行なうとともに、食品衛生に関する指導、監督を行なわせるために、国・都道府県および保健所を設置する市に置かれる職員。

出典　精選版 日本国語大辞典

日本大百科全書(ニッポニカ)

食品衛生監視員
しょくひんえいせいかんしいん

食品衛生法では、食品による危害を未然に防止する目的で、国、都道府県、保健所を設置する市に食品衛生監視員を配置するよう定めている。食品衛生監視員の役割は、法で定められた食品製造工場、食品販売店、飲食店営業などの施設に随時立ち入り、食品の状況を監視し、設備の改善や食品の扱いを指導する。また、食品等の検査、食中毒発生時の疫学調査を行い、その結果必要あれば営業禁止、営業停止、改善、廃棄等の命令を出すことができる。なお、全国の主要海空港の検疫所には厚生労働省の食品衛生監視員が配置され、輸入食品の検査を行っている。この場合、食品衛生監視員は検査のため必要限度の検体を無償で収去できる。食品衛生監視員の資格は食品衛生法施行令で規定されている。

　食品の多様化、加工技術の高度化、流通の広域化などに伴い、食品衛生監視員の資質の向上、専門監視指導体制の確立が推進されている。また、営業者責任の強化と自主管理体制の整備を進めるうえから監視指導の強化を望む声も強い。

［春日　齊］

[参照項目] | 食品衛生法

出典　小学館　日本大百科全書(ニッポニカ)

栄養・生化学辞典

食品衛生監視員

　食品衛生法に基づいて都道府県または政令市の職員の中から選ばれて食品衛生について監視する人．

出典　朝倉書店

世界大百科事典（旧版）内の食品衛生監視員の言及

【食品衛生】より

…営業者が本法の規定に違反する一定の行為を行ったときは，許可の取消しや営業の停止処分がなされる。(5)国と都道府県等に食品衛生監視員を置き，営業所の臨検，食品の検査等に当たらせる。　ところで，以上のような規制にもかかわらず，カネミ油症事件などの食品公害事件や最近のO－157事件に示されるように，食品の安全性の問題は，日本の大きな社会問題の一つになっている。…

※「食品衛生監視員」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典｜株式会社平凡社「世界大百科事典（旧版）」