飯福田寺(読み)いぶたじ

日本歴史地名大系 「飯福田寺」の解説

飯福田寺
いぶたじ

[現在地名]松阪市飯福田町

飯福田山の山麓にある。山号は伊勢山上。真言宗醍醐派。本尊薬師如来。奇怪な露岩が散在する伊勢山上いせさんじようは県指定名勝。康元元年(一二五六)の薬師堂棟札写(飯福田寺文書)に「飯福田山醍醐寺伝法院権僧正禅助謹言」として、大宝元年(七〇一)役行者の降臨により開創とみえる。禅助は、その後凋落した当山を霊夢によって復興し、右の棟札を残しているが、役小角云々は当寺の濫觴修験道の開祖へ仮託した伝説にすぎない。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「飯福田寺」の意味・わかりやすい解説

飯福田寺
いぶたじ

三重県松阪市飯福田町、堀坂山の山腹にあり、真言宗醍醐(だいご)派に属する寺。伊勢山上(いせさんじょう)飯福田寺と号し、701年(大宝1)役行者(えんのぎょうじゃ)の開創と伝える。寺域に広大な行場があり、1948年(昭和23)県立公園に指定、53年県の名勝・史跡に指定された。本尊は薬師如来(にょらい)。境内には本堂、客殿、庫裡(くり)、護摩(ごま)堂、籠(こもり)堂、山門などがある。寺宝に不動明王像、織田信雄(おだのぶかつ)、稲葉兵庫(いなばひょうご)、藤堂高虎(とうどうたかとら)らの朱印黒印3通、藤堂高虎寄進の瑠璃天目茶碗(るりてんもくぢゃわん)2個がある。

[大鹿実秋]

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デジタル大辞泉プラス 「飯福田寺」の解説

飯福田寺

三重県松阪市にある寺院。「いぶたじ」と読む。もとは役小角(えんのおづぬ)の開創と伝わる修験者霊場で、「伊勢山上」とも称する。本尊は薬師如来。

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