飾る(読み)カザル

デジタル大辞泉 「飾る」の意味・読み・例文・類語

かざ・る【飾る】

[動ラ五(四)]
他の物を添えたり、手を加えたりするなどして、美しく見せるようにする。装飾する。「食卓を花で―・る」
物を、人目につくように工夫して、置き並べる。「商品ウインドーに―・る」「雛人形ひなにんぎょうを壇に―・る」
表面をよく見せる。取り繕う。「体裁を―・る」「―・らない人柄」「言葉を―・る」
りっぱにやり遂げることによって、価値あるものにする。華やかさやすばらしさを添える。「白星初日を―・る」「有終の美を―・る」「歴史の一ページを―・る壮挙
設ける。構える。
高座を―・ってくだされ」〈狂言記拾・泣尼
[可能]かざれる
[下接句]過ちをかざ売り物には花を飾れ綺羅きらを飾る故郷へにしきを飾る言葉を飾る小人しょうじんの過つや必ずかざ掉尾ちょうびを飾る・錦を飾る辺幅へんぷくを飾る
[類語]飾り付ける飾り立てる

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「飾る」の意味・読み・例文・類語

かざ・る【飾・餝・錺・荘】

  1. 〘 他動詞 ラ行五(四) 〙
  2. いろいろな物を付けて美しく見えるようにする。立派にする。装飾する。荘厳(しょうごん)する。
    1. [初出の実例]「青葉の山を餝(かざ)りて、其の河下に立てて、大御食(おほみけ)献らむとする時に」(出典古事記(712)中)
    2. 「家のうちをかざり」(出典:源氏物語(1001‐14頃)帚木)
  3. 実質に関係なく、外観、ことばなど、うわべをとりつくろう。言葉に技巧をこらしたり、凝った言いまわしをしたりする。
    1. [初出の実例]「詐(カサリ)て韓子宿禰に告げて曰はく」(出典:日本書紀(720)雄略九年五月(前田本訓))
    2. 「心知らぬ人目をかざりて、猶世の常の作法にと聞え給ふ」(出典:源氏物語(1001‐14頃)行幸)
  4. 勝手なことをする。ほしいままにする。〔観智院本名義抄(1241)〕
  5. 設ける。構える。(商品などを)陳列する。
    1. [初出の実例]「入道〈略〉中門に曲彔(きょくろく)をかざらせて其の上に結跏趺坐(けっかふざ)し」(出典:太平記(14C後)一〇)
  6. 物事に、はなやかさや立派さを添える。
    1. [初出の実例]「社会の出来事は、謂はば永遠の形の下に見た鳥瞰図になって、新聞を飾(カザ)るだらう」(出典:青年(1910‐11)〈森鴎外〉一三)

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