奈良県北西部に位置する市。1956年(昭和31)4村が合併して町制施行、1991年(平成3)に市制施行。二上山(にじょうさん)旧火山群から奈良盆地、馬見(うまみ)丘陵一帯に及ぶ農村地帯であるが、大阪府に隣接し、JR和歌山線、近畿日本鉄道大阪線・南大阪線、西名阪自動車道、国道165号、168号が通じる交通の要地で、大阪への通勤者が多く、宅地開発が進み、人口増加が著しい。野菜、キク、イチゴ、カキなど近郊園芸農業が盛んで、金剛砂を利用したサンドペーパーや靴下製造、鋳物工業、プラスチック工業が行われている。金剛生駒紀泉国定公園に含まれ、平野塚穴山古墳、尼寺廃寺跡は国指定史跡。奈良時代の火葬墓からは金銅威奈大村骨蔵器(国宝)が出土している。面積24.26平方キロメートル、人口7万8113(2020)。
[菊地一郎]
『『香芝町史』(1976・香芝町)』
奈良県北西部にある市。1991年市制。人口7万5227(2010)。奈良盆地西部に位置し,二上火山群の北東斜面を占める。中世には興福寺領の荘園に含まれ,鋳物の製造や金剛砂の採掘が発展する。古くから大阪と奈良を結ぶ交通の要地であり,現在も近鉄大阪線,南大阪線,JR和歌山線が走り,国道165号線,西名阪道路も通る。近年,大阪のベッドタウンとして人口が急増している。主産業は製造業で,農村工業として明治以降伸びた靴下工業,染色工業が特に盛んであり,金剛砂を利用したサンドペーパー製造,鋳物,プラスチックなどの工場も多い。二上山の北西にあるどんづる峰は,凝灰岩の奇勝として県の天然記念物に指定されている。
執筆者:松原 宏
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