出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報
第2次大戦後,日本古代国家の成立過程を説明するために,江上波夫によって提唱された学説。これによれば3世紀末から4世紀初めにかけて,東北アジア系の騎馬民族である扶余(ふよ)族が朝鮮半島から九州に渡来して征服し,第1次建国を行って成立したのが崇神(すじん)王朝であるとする。この王朝は5世紀初めに九州から畿内へ移動し,倭人(わじん)を征服して第2次建国を行い,応神王朝が成立したという。天皇の諡号(しごう)や畿内の後期古墳から馬具が集中的に現れることなどをその証拠とする。古墳文化の連続性など,考古学的な点で疑問も多いが,日本における国家の形成を外的要因から捉えようとした点で画期的である。また日本古代の民族・言語・神話など文化的諸要素の特質の解明にも示唆を与えるものが多い。
出典 山川出版社「山川 日本史小辞典 改訂新版」山川 日本史小辞典 改訂新版について 情報
出典 旺文社日本史事典 三訂版旺文社日本史事典 三訂版について 情報
…奇蹄目ウマ科ウマ属の哺乳類。現世のものはウマ科ウマ属しかない。ウマ属には,ウマ亜属(プシバルスキーウマ,家畜のウマおよび絶滅したターパン),アジアノロバ亜属(オナジャー,キャン),グレビーシマウマ亜属(グレビーシマウマ),シマウマ亜属(サバンナシマウマ,ヤマシマウマ,絶滅したクアッガ)と,それらと古く分かれたロバ亜属(アフリカノロバと家畜のロバ)がある。北アメリカ起源であるが,現代では野生種はアジア,アフリカにだけ分布する。…
…かつて津田左右吉が,《古事記》《日本書紀》には,仲哀天皇と応神天皇の間で一つの段落があり,仲哀以前は天皇の系譜が父子相承となっていたり,天皇の称号だけで諱(いみな)を欠いているなど,実在性に乏しく,6世紀の帝紀(ていき)に記されていたのは,応神より後の天皇であろうとしたことにはじまる。その後,林屋友次郎によって,〈応神新王朝論〉が説かれ,応神以前の天皇は存在しないとされ,水野祐は,仲哀以前を〈古王朝〉,応神以後を〈中王朝〉とし,邪馬台国と戦った狗奴国が東遷して,この〈中王朝〉を形成したと考え,いわば江上波夫が,大和の王朝を騎馬民族の征服によって生まれたとした騎馬民族説をさらに進め,〈ネオ騎馬民族説〉とでもいうべきものを主張した。他方で,〈古王朝〉は大和三輪にあり,〈中王朝〉は河内に成立し,河内王朝が三輪王朝を征服したという説もあらわれた。…
※「騎馬民族説」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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