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骨転移癌 こつてんいがん metastatic carcinoma

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世界大百科事典 第2版の解説

こつてんいがん【骨転移癌 metastatic carcinoma】

骨に生じる癌はすべて悪性骨腫瘍と呼ばれるが,乳房,肺,胃,子宮,甲状腺前立腺などいろいろな臓器に生じた癌が,病気の経過中に骨に転移を生じた場合,癌の骨転移もしくは骨転移癌と呼ぶ。まれには,どこに生じたか原発巣不明の癌が骨に転移を生じ,骨の症状のみが出現し,原発性の骨腫瘍と間違われることもある。 骨に転移を生じやすい癌の筆頭は乳癌で,まれには治療後10年を経過して骨に転移を生じることもある。癌の骨転移の症状は転移部位の疼痛が主であるが,そのほか腫張,病的骨折,脊椎転移による脊髄麻痺などがある。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

骨転移癌
こつてんいがん

癌は骨に転移しやすく、癌患者の25%に骨転移がみられるといわれ、中年以後に多い。癌の原発巣は胃癌、乳癌、肺癌、子宮癌、前立腺(せん)癌などが多く、転移は長管状骨にもみられるが、脊椎(せきつい)骨や骨盤骨などの体幹骨に多い。癌の根治手術後10年以上も経過してから骨転移をきたすこともある。
 初発症状は疼痛(とうつう)であることが普通で、病的骨折をおこして受診することもある。疼痛はだんだん増強し、安静によっても軽快しない。脊椎骨の転移では背痛や腰痛などで始まり、肋間(ろっかん)神経痛や坐骨(ざこつ)神経痛なども発生してくる。ギプスベッドによる安静保持が行われるが、このような疼痛には鎮痛剤も無効であり、神経のアルコールブロックや脊髄索切離術などの手術が行われることがある。また、X線照射も鎮痛効果がある。下肢などの麻痺(まひ)が発生することもあり、このような場合は持続牽引(けんいん)療法も行われる。化学療法も行われ、前立腺癌や乳癌の転移癌にはホルモン療法が行われる。
 原発巣がすでに根治手術を受けており、骨転移が1か所で他に転移が認められない場合で、長管状骨などで手術が可能なときは、その骨転移癌を積極的に切除する手術が行われることもある。しかし普通は、骨転移癌が発見されたのち1年以内で死亡することが多い。[永井 隆]

出典|小学館 日本大百科全書(ニッポニカ) この辞書の凡例を見る
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