対流圏を特定の高度で切り取り、大気の同じ気圧の面(等圧面)を一つの図上で表したもの。目安としては高度約1・5キロで850ヘクトパスカル、約3キロで700ヘクトパスカル、約5・5キロで500ヘクトパスカル、約9・5キロで300ヘクトパスカル、約12キロで200ヘクトパスカルとなっている。等圧面には傾きがあるため、図上でも高低差が分かるように「等高度線」が示されている。さらに、同じ気温の地点を結んだ「等温線」、風速や風向きを示す矢羽根の記号なども書き込まれている。
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上空の大気の状態を解析するための天気図。通常、等圧面天気図が用いられる。これは上空の特定の等圧面について、その高度、気温、風速、湿度(水蒸気量)などを解析するもので、データは主としてラジオゾンデ観測によって得られたものを使う。等圧面とは気圧の等しい面をいう。等圧面はわずかに起伏しながらほぼ水平に広がっており、鉛直方向には幾重にも重なり合って、上方の等圧面ほど気圧は低い。等圧面は高気圧のところで上方に膨れ上がり、低気圧のところで下方にへこんでいる。したがって等圧面の等高線を描くと、その等圧面の存在する付近の高さの気圧分布がわかる。通常、850ヘクトパスカル(高度約1.5キロメートルに相当)、700ヘクトパスカル(約3キロメートル上空)、500ヘクトパスカル(5~6キロメートル上空)、300ヘクトパスカル(約9キロメートル上空)の等圧面天気図がつくられ、200ヘクトパスカル(約12キロメートル上空)、100ヘクトパスカル(約16キロメートル上空)、30ヘクトパスカル(約24キロメートル上空)、10ヘクトパスカル(約30キロメートル上空)の等圧面天気図がつくられることもある。高層天気図は天気予報に利用されるほかに、航空機の運航に直接利用される。気象衛星から得られたデータも高層天気図の解析に用いられている。
[倉嶋 厚・青木 孝]
『丸山健人著『高層天気図を描く』(1986・新草出版)』▽『大塚龍蔵著、日本気象協会編『高層天気図の利用法――実地に即した高層天気図の見方』(1998・クライム気象図書出版部)』▽『下山紀夫著『気象予報のための天気図のみかた』(1998・東京堂出版)』▽『小倉義光著『総観気象学入門』(2000・東京大学出版会)』▽『福地章著『高層気象とFAX図の知識』(2001・成山堂書店)』▽『青木孝監修『図解 気象・天気のしくみがわかる事典』(2009・成美堂出版)』
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上空の気象状況をみるための天気図。ふつう一定の高度ではなく,1000mb,850mb,700mb,500mb,300mb,250mb,200mb,100mbなどというように一定の気圧の面の天気図をつくり,その気圧の高度,その面の風向,風速,気温,露点温度などを記入し,等値線を引く。等圧面高度の高いところは地上天気図の高気圧,低いところは低気圧に相当し,風は等高線に平行に吹く。
執筆者:高橋 浩一郎
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
出典 パラグライダー用語辞典について 情報
…広い範囲の気象状況を観察するため,各地で観測された風向,風速,天気,気圧などを白地図の上に記号で記入し,気圧の等しい線を結んだ等圧線,気温や風向などが急変しているところを結んだ前線などを引いた図。地上の天気図のことを地上天気図,上空の一定の高度または一定の気圧の面の天気図を高層天気図といい,ふつう天気図というと地上天気図をさす。1820年ドイツのH.W.ブランデスがつくったのがはじめてである。…
※「高層天気図」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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