鬼ヶ城(読み)オニガジョウ

デジタル大辞泉 「鬼ヶ城」の意味・読み・例文・類語

おに‐が‐じょう〔‐ジヤウ〕【鬼ヶ城】

三重県熊野市木本町の海岸奇岩洞窟どうくつ群。天然記念物

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日本歴史地名大系 「鬼ヶ城」の解説

鬼ヶ城
おにがじよう

南山みなみやま南方丹波との境にある標高五四四メートルの山。「丹哥府志」に

<資料は省略されています>

とあり、酒呑童子伝説をもつ山であった。

明治中期には山麓宝満寺ほうまんじ鉱山が開発され暫時採鉱した。硫化鉄を主とし銅・銀も含有していたが品位が悪く、第一次世界大戦後の不況と相まって大正九年(一九二〇)閉鎖された。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「鬼ヶ城」の意味・わかりやすい解説

鬼ヶ城
おにがじょう

三重県南部、熊野市木本(きのもと)にある海岸景勝地熊野灘(なだ)リアス海岸最南端にあり、凝灰岩岩壁が波食を受けたのち隆起したため、大小数十個の洞窟(どうくつ)が連続する奇観となった。千畳敷(せんじょうじき)とよばれる広いものもあり、いかにも鬼か海賊のすみかの観がある。吉野熊野国立公園区域で国の名勝・天然記念物に指定されている。周囲約1キロメートル、探勝路が完備され、展望台、鬼ヶ城センターなどがあり、紀州路観光の名所の一つとなっている。JR熊野市駅からバスの便がある。

[伊藤達雄]


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改訂新版 世界大百科事典 「鬼ヶ城」の意味・わかりやすい解説

鬼ヶ城 (おにがじょう)

三重県南部,熊野市木本町にある奇岩と洞窟群。石英粗面岩からなる千畳敷,犬戻り,猿戻り,潮吹きなどの奇岩や海食洞が約1kmにわたって続く景勝地で,吉野熊野国立公園の一部をなす。これらの洞窟には熊野灘の難所を航行する船舶を襲った海賊すなわち鬼が隠れ住んでいたといわれ,鬼ヶ城の名がおこった。この南に同じ成因による獅子岩があり,〈熊野の鬼ヶ城付獅子岩〉として名勝・天然記念物に,また暖地性シダ群落は天然記念物に指定されている。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「鬼ヶ城」の意味・わかりやすい解説

鬼ヶ城
おにがじょう

三重県南部,熊野市木本の海岸にある海食洞窟群。石英粗面岩の岩壁を波浪が浸食して洞窟をつくり,それが数回にわたって隆起したため階段状になっている。洞窟の底は広く平坦で,千畳敷と呼ばれるところがある。天井はひさしのように張出し,鬼のすみかにふさわしい奇岩であることが名称の由来。全長約 3km。東西に入口があり,観光路が通じる。天然記念物・名勝に指定。南方にも同じ成因による獅子岩がある。吉野熊野国立公園に属する。

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百科事典マイペディア 「鬼ヶ城」の意味・わかりやすい解説

鬼ヶ城【おにがじょう】

三重県熊野市木本港の東の岬端にある奇勝(名勝・天然記念物)。石英粗面岩が海食により奇岩や洞窟をつくっている。木本港の南に同様の成因の獅子(しし)巌(名勝・天然記念物)と呼ばれる奇岩がある。
→関連項目熊野[市]

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