鬼道(読み)キドウ

世界大百科事典 第2版の解説

きどう【鬼道 guǐ dào】

中国において,とは本来死者の霊魂,幽冥の世界における霊的存在を意味し,天界,人界を貫く原理法則をそれぞれ〈天道〉〈人道〉というのに対して,鬼神の世界を貫く原理法則を〈鬼道〉という。また,帝王の主宰する万神の祭壇の八方に設けられる鬼神の通路を文字どおり鬼道と称する。一方,巫覡(ぶげき)などの行う呪術および国家非公認の呪術的宗教などもまた鬼道といわれる。後漢末から三国魏の時代にかけて,四川,陝西両省にまたがる一大宗教王国を築いた五斗米道教団の第3代教主である張魯は,主として符(おふだ)や呪水といった呪術的方法を用いて病人の治療を行い,その勢力を拡大していったが,当時の史書は張魯の教法を鬼道と決めつけている。

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大辞林 第三版の解説

きどう【鬼道】

〘仏〙 餓鬼道。鬼趣。
魔術などの不思議な術。妖術。

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世界大百科事典内の鬼道の言及

【張陵】より

…もとは沛国(はいこく)(江蘇省北部)の人であったが,130年から140年代のころ,蜀(四川省)の鳴山(こくめいざん)で修行し,神々から啓示を受けて道書を作り,これを民衆に教えて信者から米5斗を出させたという。その教えは,孫の張魯(ちようろ)が漢中に五斗米道の政権を立てて大成した教法から考えれば,最初から病気の治癒を中心にしていたらしく,またそれが〈鬼道(きどう)〉とよばれたのは,神々との交感を重視したからであろうと思われる。張魯の政権が215年(建安20)に崩壊したのち,その教団は幾多の変容を経ながらも持続し,やがて張陵の後裔といわれる人物を代々〈天師〉に立てて,教団の中心とする伝統が定着した。…

【道教】より

… 洞真部の道教経典は,《雲笈七籤》巻六に引く唐初に成立の《業報因縁経》に〈元始天尊は亦た天宝君とも名づけ,洞真経十二部を説く〉とあり,道教三尊,すなわち太上老君太上道君元始天尊,のうち出現が最も遅く,6世紀半ば以後と推定される元始天尊(〈天尊〉の語は漢訳仏典から始まる)の教誡を経典化したものであるが,この洞真部経典群の内容的な特色は,その代表的な経典《元始無量度人経》や《无上(むじよう)内秘真蔵経》などが最も良く示しているように,用語と思想とに仏教的な色彩の濃厚なことである。もちろん経典内容の基底部をなすものは,祝禱,禁呪,符醮などの天師道教団的な呪術宗教,いわゆる〈鬼道〉であり,儒教の〈神道〉の易学や祭礼の宗教哲学,また老荘道家の〈〉と〈真〉と〈元気〉の哲学,いわゆる〈真道〉の神学教理もまたその主要な部分を占めるが,これらの神学教理が仏教の思想哲学と結びつけられ折衷されて,しばしば聖道の教もしくは聖教,聖学とよばれているところに,この経典群の大きな特徴が見られる。 つぎに洞玄部の経典群は,漢・魏のころから曹丕(そうひ)の《典論》などに各剣宝刀をよぶ言葉として見え初める〈霊宝〉の2字を結びつけた〈洞玄霊宝〉の4字を経典名の中に含むことが多く,《雲笈七籤》では《玉緯》(唐の玄宗の開元年間(713‐741)に作られた道教の経典目録)を引いて〈洞玄は是れ霊宝君の出だす所〉といい,上引の《道教宗源》の〈凡例〉では,〈洞玄部は則ち三界の医王・太上道君の出だす所〉という。…

※「鬼道」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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