出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報
中国、山東(さんとう/シャントン)省東阿県の西北8里(約4キロメートル)にある山。魏(ぎ)の曹植(そうち)は魚山を愛し、魚山を終焉(しゅうえん)の地と定めて墓を造営した。曹植がこの地で空中からの梵天(ぼんてん)の声を聞き、その音節を写して梵唄(ぼんばい)(仏教音楽)をつくったとの伝説で知られる。曹植によって始められた梵唄は、三国の呉(ご)の支謙(しけん)に継承されて、支謙は「梵唄三契(さんかい)」をつくり、さらに康僧会(こうそうえ)は「泥洹(ないおん)梵唄」を、支曇籥(しどんやく)は「六言(ろくごん)梵唄」をつくり、後世に流布させた。入唐(にっとう)した比叡山(ひえいざん)の円仁(えんにん)がこの梵唄を日本へ伝えたので、天台宗の梵唄声明(しょうみょう)を魚山流といい、京都大原の来迎院(らいごういん)がその本拠となった。
[鎌田茂雄]
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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