精選版 日本国語大辞典 「鳥取砂丘」の意味・読み・例文・類語
とっとり‐さきゅう ‥サキウ【鳥取砂丘】
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砂丘の土台となる基盤岩は中生代―新生代第三紀に形成された花崗岩・安山岩・玄武岩などで、砂丘の形成は新生代第四紀(約一七〇万年前)以降となる。第四紀更新世(洪積世)最初の海進期には現在の鳥取平野奥まで海が入込んでおり、この古鳥取湾に流入する河川によって中国山地から運ばれた砂・粘土が堆積し、現在の海岸線の辺りに砂洲が形成されはじめた。更新世中―後期の海進・海退で湯山砂層とその上の古砂丘が形成され、海退期に陸側へ吹上げられた砂と海岸線の浸食などにより起伏の大きい地形となった。約三万年前の大山火山の活動で地表面に大山倉吉軽石などの火山灰が降下、ミソ土とよばれる黄褐色の層を含むローム層が堆積した。完新世(沖積世)に入ると縄文海進により鳥取平野は湯山砂層と古砂丘にさえぎられて内海となる。約四千年前頃の海進の停滞で古砂丘の上に新砂丘が形成され、さらに海退に伴って海岸側には砂丘列が作られていった。縄文―弥生期以降の新砂丘の発達過程で少なくとも二回の停滞期があったと推定され、新砂丘の地層中に砂表面が腐植して土壌化したクロスナとよばれる層が挟まっている。このうち上位の層を境に旧砂丘・新砂丘とに分ける場合もある。一四―一五世紀に急速な砂丘の発達がみられて腐植土層を被覆し、以後断続的に江戸時代を通じ発達が続いた。
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報
鳥取県東部、日本海沿岸の砂丘。千代(せんだい)川河口東部の福部(ふくべ)、浜坂(はまさか)砂丘、西岸の湖山(こやま)砂丘の総称で、東西16キロメートル、南北2キロメートル。狭義の鳥取砂丘は浜坂砂丘をさし、最高点92メートルの日本最大の起伏が、内陸砂漠の景観を思わせる。砂地環境下での動植物生態が学術的に貴重なことから、東半部は国の天然記念物に指定され、山陰海岸国立公園にも属する。
スリバチとよばれる凹地底には飛砂と闘う砂地植物の群落が島状の緑地をなし、内陸へ行くほど安定度を増すが、イソコモリグモなどの食虫類は、夏高温の砂丘表面を避けて穴居している。現砂丘形成の主営力は秋季、冬季の北西季節風で、風速2メートル内外では風紋(ふうもん)が、10メートル以上では砂嵐(すなあらし)が生まれて砂丘を変化させる。層序は上から腐植黒砂層を挟む現砂丘層、縄文(じょうもん)―土師器(はじき)遺物包含層、黒ボク腐植土層、大山(だいせん)火山灰層、化石古砂丘層、基盤岩床と重層し、ビュルム氷期以来の海面低下と古砂丘の発達、火山灰の堆積(たいせき)と先史人の居住、新砂丘の形成などの過程を物語っている。
1785年(天明5)以降、砂防造林に次いで新田開発も始まったが、1896年(明治29)以降は鳥取連隊の演習地となり、3砂丘は残った。
第二次世界大戦後クロマツとニセアカシアによる大規模造林で砂防化は進んだが、天然記念物地域への北西方向よりの砂の移動が弱化し、草原化が進行したので、文化財保護か緑化かをめぐり長年論議のすえ、風上にある50.5ヘクタールの保安林を伐採した。鳥取砂丘こどもの国(1973年開園)などの観光施設があり、年間約150万人(2004)が訪れる。
なお西半部には鳥取大学乾燥地研究センターがあり、国際的研究を進めているが、周辺の砂地農業は福部砂丘のラッキョウ栽培を除き、住宅団地化で後退している。
[岩永 實]
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出典 日外アソシエーツ「事典・日本の観光資源」事典・日本の観光資源について 情報
… 低地は砂丘,砂州,沖積平野からなる。海岸線に沿って大小さまざまの砂丘が分布しているが,とくに倉吉平野と鳥取平野の海岸部にある北条砂丘と鳥取砂丘は最も規模が大きく,内部に岩盤や大山ロームより古い古砂丘が伏在しているため,起伏に富んだ砂丘地形を形成している。弓ヶ浜は長さ17.5km,幅3~5km,日本最大の湾央砂州で,〈大天橋〉と称揚される。…
※「鳥取砂丘」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
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