デジタル大辞泉
「鳥毛立女屏風」の意味・読み・例文・類語
とりげりゅうじょのびょうぶ〔とりげリフヂヨのビヤウブ〕【鳥毛立女屏風】
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とりげたちおんな‐びょうぶとりげたちをんなビャウブ【鳥毛立女屏風】
- ( 「とりげりゅうじょびょうぶ」とも ) 紙本画屏風。正倉院御物。六扇。絵は唐装の樹下美人図。白下地を行ない、おおらかで軽快な図取りの上に顔や手・そで口などを彩色し、頭髪・着衣・樹葉に日本産山鳥の羽毛をはりつけたものだが現在は剥落している。様式・画法ともに唐画の影響が強い。
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鳥毛立女屏風
とりげりつじょのびょうぶ
正倉院に伝わる屏風の一つ。「樹下美人図」ともよぶ。天平勝宝(てんぴょうしょうほう)8年(756)の『東大寺献物(けんもつ)帳』に「六扇」と記載されているが、現在は解かれてばらばらになり、その順序はわからない。紙に白土(はくど)を地塗りした上に、墨で樹下に立つ1人の唐風美人を描き、顔など一部に彩色を施す。人物の姿態は六扇ともそれぞれ異なる。もと画面に鳥の羽毛が貼(は)られていたが、いまはほとんど剥落(はくらく)。ただし、わずかに残る羽毛は日本産ヤマドリのものといわれ、さらに一扇の下貼紙に「天平勝宝4年」の日付のあることなどからして、数少ない奈良朝絵画の遺品として貴重である。
[永井信一]
出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例
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鳥毛立女屛風 (とりげりつじょのびょうぶ)
8世紀中ごろに描かれた正倉院伝来の数少ない画屛風。遠く中東からアジア全域に伝わる〈樹下美人図〉を立像と座像3扇ずつ6扇に描いている。衣服の部分に当初貼付(ちようふ)されていたヤマドリなどの羽毛はほとんど剝落したが,幸い顔容には補筆も少なく,その豊麗な表情には盛唐文化の影響のもとに国際的な芸術様式の一翼を担った天平文化の息吹が感じられる。正倉院蔵。
執筆者:須藤 弘敏
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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百科事典マイペディア
「鳥毛立女屏風」の意味・わかりやすい解説
鳥毛立女屏風【とりげりつじょのびょうぶ】
《樹下美人図》とも通称される。正倉院蔵6曲の屏風絵。6曲の各扇に樹下に1人の女性と1個の岩を配す。顔と手を除き,鳥毛をはりつけてあったのでこの名があるが,現在鳥毛は剥落(はくらく)し下絵の描線が露出。女性は唐朝風の姿で風俗史的にも貴重。《東大寺献物帳》により聖武天皇の調度品であったことがわかり,奈良時代の作と推定される。
→関連項目屏風
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鳥毛立女屏風
正倉院に伝わる屏風の一つ(756)。『樹下美人図』とも呼ばれる。樹下に佇む唐の装束を着た婦人を描いた、六扇からなる屏風絵。奈良、正倉院所蔵。
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世界大百科事典(旧版)内の鳥毛立女屏風の言及
【生命の樹】より
…すでに前3千年紀のスーサ出土の円筒印章には動物を伴った樹木文様や,樹下に聖獣を配したものがある。聖獣のかわりに女神を配したものは,いわゆる〈[樹下美人図]〉と呼ばれる文様で,正倉院の《鳥毛立女屛風(とりげりつじよのびようぶ)》は有名である。このモティーフはイランのハオマの豊穣の女神アナーヒターとの結びつきから生じている。…
【奈良時代美術】より
…[華厳経美術]
[正倉院の絵画]
正倉院には菩薩像を描いた絹絵彩色幡や,麻布に力強い墨線で闊達に描いた《麻布菩薩像》などがあるが,東大寺大仏開眼会などに用いられたものである。《東大寺献物帳》によれば,正倉院には仏画のほかに各種の山水画や世俗画があったことが知られるが,遺存するもので有名なものに《[鳥毛立女屛風](とりげりつじよのびようぶ)》が六扇そろっている。貼り付けられていた羽毛はほとんど剝げ落ちているが,唐朝風婦人の肉色には彩色が施され,柔らかな細線描写の下描きの素描がおおまかに墨描されており,西域画にみられる樹下美人図形式を踏襲している。…
※「鳥毛立女屏風」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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