小新聞(読み)コシンブン

デジタル大辞泉 「小新聞」の意味・読み・例文・類語

こ‐しんぶん【小新聞】

明治前期に発行された小さな紙面新聞。総ふり仮名の平易な文章で、世間で起こった事件花柳界うわさなどを載せ、一般大衆を読者対象とした。→おお新聞
発行部数の少ない、勢力のない新聞。

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精選版 日本国語大辞典 「小新聞」の意味・読み・例文・類語

こ‐しんぶん【小新聞】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 明治初期に発行された紙面の小さな新聞。総ふりがなの平易な文章で、婦人や一般大衆を対象とした。⇔大新聞(おおしんぶん)
    1. [初出の実例]「小新聞(コシンブン)元祖といふ鈴木田正雄がはひってから」(出典:歌舞伎・木間星箱根鹿笛(1880)四幕)
  3. 勢力の小さい新聞。発行部数の少ない新聞。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「小新聞」の意味・わかりやすい解説

小新聞
こしんぶん

明治の初期から中期にかけて庶民に人気のあった娯楽的な新聞の総称政論を主にして有識層に読まれた大 (おお) 新聞に比べて,紙幅が狭いので小新聞という。最初の小新聞は『開知新報』 (1869) であるが,本格的な小新聞の最初は『読売新聞』。『平仮名絵入新聞』『仮名読新聞』などの新聞名でもわかるように,小新聞はふりがなをつけ,挿絵を入れ,定価も安く,三面記事が主で読みやすかった。 1880年を過ぎると東京の小新聞は政党新聞化し,大阪では『朝日新聞』のように報道新聞への道を歩みはじめた。

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山川 日本史小辞典 改訂新版 「小新聞」の解説

小新聞
こしんぶん

社説や政治記事を掲げず,雑報や芸能記事などを売り物にした明治初期の新聞。政論本位の大新聞と対照的な存在で,小型判であったことによるよび名。記者は戯作者系統の者が多く,文体も俗話調で,漢字には通常振り仮名をつけた。代表的なものに「読売新聞」「仮名読新聞」など。

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改訂新版 世界大百科事典 「小新聞」の意味・わかりやすい解説

小新聞 (こしんぶん)

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「小新聞」の意味・わかりやすい解説

小新聞
こしんぶん

大新聞・小新聞

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世界大百科事典(旧版)内の小新聞の言及

【大新聞・小新聞】より

…1874年ごろから明確になる。大新聞は紙型が現代の新聞のブランケット判に近いのに対し,小新聞はその半分のタブロイド判であるため,こう呼ばれた。しかし,内容や読者層においても両者の特徴は対照的であった。…

【商業新聞】より

…販売収入,広告収入などを経営の基盤とし,利潤の獲得を前提とする新聞。日本では明治初期の新聞発達初期には,大(おお)新聞と小(こ)新聞があり,前者は政論中心であってそのほとんどは政府・政党から資金援助を受けることの多い御用新聞や政党新聞で,利潤獲得は第二義的であったのに対し,後者はそのような援助を受けることが少なく,企業存続のために利潤を得る必要があった。日本の商業新聞はこの小新聞を源流にして,明治後期から急速に発展して現在に至っている。…

【新聞】より

…一方,市中の事件や小説などをおもな内容とし,文章も読みやすい庶民相手の新聞も現れた。これらは小型のため〈小(こ)新聞〉といい,1874年創刊の《読売新聞》はその代表である(大新聞・小新聞)。80年代になると,〈大新聞〉が政府の徹底的な弾圧もあって経営が成り立たなくなったこともあり,報道中心の新聞がいっせいに誕生した。…

※「小新聞」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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