デジタル大辞泉
「HIV」の意味・読み・例文・類語
エッチ‐アイ‐ブイ【HIV】[human immunodeficiency virus]
出典 小学館 デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
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HIV
エイズウイルス (HIV) 医学的には「ヒト免疫不全ウイルス」といい、HIVはその英語表記の頭文字 を取ったもの。感染すると、免疫が低下して、さまざまな病気になるエイズの原因となる。1983年に発見された当初は治療法がなかったが、抗ウイルス薬 の開発が進み、発症を抑えて感染者が健常者 と変わらない生活を長く送れるようになった。ただ完治は難しく、長期間、治療を続ける必要がある。国内のHIV感染者は近年減少傾向にあり、2022年に新たに報告された感染者とエイズ患者は合わせて884人だった。
更新日:2023年10月20日
出典 共同通信社 共同通信ニュース用語解説 共同通信ニュース用語解説について 情報
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エッチ‐アイ‐ブイ【HIV】
〘 名詞 〙 ( [英語] human immunodeficiency virus の略 ) =エイズウイルス
出典 精選版 日本国語大辞典 精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
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HIV エイチアイブイ human immunodeficiency virus
ヒト免疫不全ウイルス human Immunodeficiency virusの略称 。エイズ (後天性免疫不全症候群 ) を起こすウイルスで,リボ核酸 RNAを遺伝子とするレトロウイルス科レンチウイルス亜科に属する。 HIVはヒト体内でヘルパーT細胞 (→T細胞 ) と呼ばれるリンパ球 に出会うと,ウイルス外殻のたんぱく質 がヘルパーT細胞表面の抗原たんぱく質に吸着しウイルス内部の RNAが細胞内部に侵入し感染が成立する。細胞内の RNAは逆転写酵素 によってデオキシリボ核酸 DNA に変換し,細胞の DNAに組み込まれることで増殖 を続け,多数の子ウイルスを放出しながら細胞を破壊する。ヘルパーT細胞は免疫システムで司令塔 の役割を果たしており,これが破壊されると免疫不全を引き起こす。リンパ球のもう一つのタイプに感染症と戦うキラーT細胞があるが,この活性もヘルパーT細胞に依存しているため,感染症にかかりやすくなる。ほかに,HIVは脳細胞やマクロファージ (大食細胞) などの免疫系細胞に感染することが知られている。同じレンチウイルス亜科にはサル やネコの免疫不全ウイルスやウマの伝染性貧血ウイルスも含まれる。 HIVには,これまでに二つの型が発見されている。一つは 1983年にフランスのパスツール研究所のモンタニエ のグループによって分離されたもので,HIV-1と呼ばれ,アメリカ,ヨーロッパ,アフリカ のほとんどの国で流行している。 HIV-1の患者には男性同性愛者,麻薬常用者,汚染した血液の輸血 を受けた血友病患者,性交 相手の男性がエイズ患者だった女性,こうした男女間に生まれた子供が多い。日本では汚染された輸入血液製剤 の輸血による血友病患者らへの感染が大きな社会問題になっている。二つ目は西アフリカで流行し,ほかの地域ではまれな HIV-2である。 HIV-2は潜伏期間が長く,症状も軽いとされる。感染経路 は HIV-1と同じであるが,多くは異性間の性交によると考えられ,女性を通して胎児 にも感染するので次世代への影響が心配される。
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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出典 株式会社平凡社 百科事典マイペディアについて 情報
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HIV エッチアイブイ
human immunodeficiency virusの略称.ヒト免疫不全ウイルス.エイズの原因ウイルス.HIV-1とHIV-2の2種類が知られているが,いずれもRNAウイルスの一種.RNAウイルスは,感染後,自身にコードされている逆転写酵素 を使ってDNAを合成し,増殖することからレトロウイルス ともよばれる.RNAを包むタンパク質(coat protein)のプロセッシングに必要なプロテアーゼは,アスパラギン酸プロテアーゼ に属し,それをうまく阻害できればウイルスの増殖を抑制できるので,阻害剤開発の観点から注目されている.HIV-1のほうが病原性が強く問題であるが,変異しやすいためワクチンや治療薬の開発が思うように進んでいない.HIV-1の標的は免疫担当細胞の一種であるTリンパ球であり,感染すると免疫不全におちいる.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」 化学辞典 第2版について 情報
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HIV
human immunodefi ciency virus,ヒト免疫不全ウイルス
出典 内科学 第10版 内科学 第10版について 情報
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