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HR図 エイチアールず

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

HR図
エイチアールず

「ヘルツスプルング=ラッセル図」のページをご覧ください。

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知恵蔵2015の解説

HR図

恒星の性質や進化を示すために使われる図。横軸に恒星の表面温度あるいはそれを表す量(スペクトル型、色など)を(右方が低温)、縦軸には絶対等級をとり(上方が明るい)、その上に恒星をプロットしたもの。図を作った天文学者の名をとったヘルツシュプルング=ラッセル図の略称。大部分の恒星は左上から右下にのびる帯状領域(主系列)に集中する。太陽は、主系列の中程に位置する。主系列を外れた星もあり、右上には赤色巨星、左下には白色矮星が並ぶ。恒星の進化や統計的性質の研究、年齢の決定などに広く用いられる。

(土佐誠 東北大学教授 / 2007年)

出典|(株)朝日新聞出版発行「知恵蔵2015」
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デジタル大辞泉の解説

エッチアール‐ず〔‐ヅ〕【HR図】

ヘルツシュプルング‐ラッセル図

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百科事典マイペディアの解説

HR図【エッチアールず】

ヘルツシュプルング=ラッセル図

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

HR図
えいちあーるず

ヘルツシュプルング‐ラッセル図Hertzsprung-Russell Diagramの略。恒星の性質を統計的に調べるために、1905年デンマークのE・ヘルツシュプルングが、またやや遅れてアメリカのH・N・ラッセルがそれぞれ独立に考え出したグラフ。光度かそれにかわる量を縦軸に、表面温度(正確には有効温度)かそれにかわる量を横軸にとり、明るいものほど上方に、高温のものほど左側にくるように表す。実用的には、観測から直接に得られる量を使って、縦軸に絶対放射等級または絶対実視等級、横軸にスペクトル型または色指数を用いることが多い。とくに横軸が色指数で表されたHR図を「色・等級図」ということもある。HR図は、恒星の物理的性質や恒星の進化を考察するのによく使用される。
 星の半径(R)と光度(L)、表面温度(T)との関係式LkR2T4kは比例定数)によれば、星は表面温度が低くて光度が明るいほど半径が大きい。したがって、HR図のなかでは右上に位置する星ほど半径が大きい。[岡崎 彰]

HR図における分布と恒星の種類

絶対等級と表面温度が知られている星をすべてHR図にプロットすると、多くの星が図のなかで左上から右下にかけてほぼ一列になって分布する()。この列のことを主系列とよび、そこに並ぶ星を「主系列星」という。太陽も主系列星である。主系列星は絶対等級と表面温度との間にきれいな相関があるので、表面温度がわかれば、絶対等級を推定できる。主系列の右上の方にもかなりの数の星が分布する。これらの星は、同じ表面温度の主系列星よりも半径が大きいので、「巨星」とよばれる。なかでも、とくに明るく半径の大きいものを「超巨星」という。ベテルギウスは超巨星の一例で、半径は太陽の数百倍にも達する。また、主系列星と巨星の中間位置にも星がいくらか分布しており、それらは「準巨星」とよばれる。一方、主系列の左下にも、いくつかの星が散らばっている。これらの星は、かなり高温で白い光を放つものが多く、半径も主系列星と比べて小さいので、「白色矮星(わいせい)」とよばれる。シリウスの伴星は白色矮星の一例で、半径は太陽の100分の1程度にすぎない。
 このように可視光で観測されるほとんどの恒星は、主系列星、巨星(超巨星、準巨星も含む)、白色矮星の3種類に大別される。[岡崎 彰]

近距離星のHR図

太陽から近距離、たとえば5パーセク以内の距離にある星々のHR図を作成すると、前記のHR図と分布の様子が明らかに違ったものになる。すなわち、ほとんどの星が主系列星で、白色矮星もいくつか散らばっているが、巨星は1個も見られない。主系列星の分布も詳しく見ると、太陽より高温の星はわずかしかなく、温度の低い(右下に位置する)ものほど数が多くなっている。
 太陽から5パーセク以内では、暗い星も含めてほぼもれなく調べられているとみなせるので、近距離星のHR図における個数分布は、実際の傾向を示していると考えてよい。すなわち、一般に、主系列星は温度の低いものほど数多く存在し、白色矮星もそれなりの数が存在するが、巨星や超巨星は非常に数が少ない。一方、遠距離にある星々まで含めたHR図では、遠方でも観測できる明るい高温の主系列星や巨星・超巨星が偏って多くプロットされてしまうので、その個数分布は実際の傾向を反映したものにはならないことになる。[岡崎 彰]

HR図と恒星の進化

同じ星でありながら、どうして主系列星、巨星、白色矮星という3種類に分かれるのだろうか。実は、HR図にはさまざまな年齢の星が混じっているので、星が一生の間に光度と表面温度がどのように変化していくのかを知らなくては、この疑問に答えることはできない。現在では、恒星の一生は、質量と化学組成が与えられれば数値モデルによってシミュレーションできる。
 恒星は宇宙空間にあるガスや塵(ちり)からなる星間物質が集まり、重力的に収縮してできる。収縮により中心部は圧縮され高温となり、星として光り始めるが、この段階を「原始星」という。この間、半径がだんだん小さくなり、やがて中心部が十分に高温になると、核融合反応により4個の水素原子核が1個のヘリウム原子核に変わる反応がおきる。この段階にあるのが「主系列星」である。恒星は一生の大部分の期間を主系列星として過ごす。この期間は安定しており、光度も表面温度もほとんど変化しないので、多くの恒星をランダム・サンプリングしてHR図をつくると、主系列にいちばん多く集まることになる。系列をなすのは、主系列星は質量の違いによって光度と表面温度が少しずつ異なるからで、質量の大きい主系列星ほど光度が明るい。
 中心部の水素が消費されてヘリウムがたまってくると、恒星は内部の重力と熱のバランスをとるために半径が大きくなり、HR図上で巨星への道を進む。この巨星への膨張段階は、その一生からみて非常に短い。巨星になった恒星は、中心部で3個のヘリウム原子核が結合して炭素原子核になる核融合反応をおこすようになる。やがて中心部のヘリウムが消費されて炭素がたまると、さらに半径が大きくなって超巨星になり、今度は炭素原子核がネオン原子核とマグネシウム原子核になる核融合反応をおこす。
 質量が太陽の数倍以下の星では、その後、外層部分をゆっくりと放出して「惑星状星雲」を形成し、高密度の中心部分は余熱で光って「白色矮星」となり、徐々に冷えて一生を終える。一方、質量が太陽の数倍以上の星では、さらに核融合反応が次々と進み、中心部に鉄がたまるようになると、星全体として不安定になって超新星爆発をおこし、華々しく一生を終える。超高密度の芯(しん)は残されて「中性子星」になる。爆発前の星の質量が太陽の数十倍もある場合には、芯は「ブラック・ホール」になる。爆発で飛び散ったガスはふたたび星間物質へと戻っていく。
 質量の大きい星ほど、核融合反応が激しく「燃料消費」が著しいので、星の寿命は短い。主系列星としての太陽の寿命は約100億年と計算されている。現在の太陽の年齢は、太陽系の年代測定から約46億年と推定されているので、まだ50億年以上は主系列星のままと考えられる。[岡崎 彰]

星団のHR図と年齢

星々のなかには、空間に集団をなして分布しているものがあり、星団とよばれている。一つの星団の星々はほぼ同時に生まれたと考えられている。同じ星団の星々はどれも地球から実質的に同じ距離にあるので、絶対等級と見かけの等級との差はどの星も同じだとみなしてよい。したがって、星団のHR図は、その距離がわからなくても、縦軸に見かけの等級を使って作成できる。また、見かけの等級で表された星団のHR図の主系列を、絶対等級で目盛られた標準的なHR図の主系列と比較して、その等級差から星団までの距離を求めることができる。
 いくつかの星団のHR図を、主系列が一致するように重ねてやると、主系列の左上端までの長さが星団によって異なるだけでなく、その左上端が上方に曲がっている。星団では星々が同時に生まれたことを考慮すると、現在、この左上端に位置する星々が主系列を離れて巨星に向い始めたことを表している。かつてそれよりも左上側に並んでいた質量の大きい星々はすでに主系列星の段階を終えたので、そこにはない。したがって、この上方に曲がった左上端(転向点)の位置が右下にある星団ほど年老いていたものといえる。[岡崎 彰]

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