PTSD(外傷後ストレス障害)

内科学 第10版の解説

PTSD(外傷後ストレス障害)(心身症)

定義・概念
 PTSD(posttraumatic stress disorder:外傷後ストレス障害)とは,不安障害に分類される精神疾患で,生命の危険が及ぶような体験後に生じる重症の疾患である.多くは慢性の経過を取り,再体験(想起),回避,過覚醒の3つが主要な症状である.
診断
 PTSDの診断基準としては,米国精神医学会のDSM-Ⅳ-TRによるものが代表的である(表1-6-10).D­SM-Ⅳ-TRでは,まず,Aの2つの事項を満たすような衝撃的な体験をしていることが求められる.さらに,B(再体験)の項目のうち1項目以上を満たし,C(回避)の項目のうち3項目以上を満たし,D(過覚醒)の項目のうち2項目以上を満たすことが求められる.そして,Eにあるように,1カ月以上,症状が持続していることが必須である.
病因
 いまだ病因は不明であるが,MRIによる研究で,海馬や左扁桃,前帯状皮質の体積の減少が報告されている.また,遺伝子と環境の相互作用の可能性も検討されているが,これまでのところ小規模な研究しか存在せず,結論は出ていない.
認知行動療法の効果が報告されている.特に,トラウマに焦点を当てた認知行動療法や暴露療法の効果が報告されているが,いずれも専門家の元で行うことが必要である.[吉内一浩・赤林 朗]
■文献
Engel GL: The need for a new medical model: a challenge for biomedicine. Science, 196: 129-136, 1977.
小牧 元, 久保千春,他編:心身症診断・治療ガイドライン2006, 協和企画,東京,
2006.日本心身医学会教育研修会編:心身医学の新しい指針.心身医学,31: 537-573, 1991.

出典 内科学 第10版内科学 第10版について 情報

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