SST(読み)エスエスティー

百科事典マイペディア「SST」の解説

SST【エスエスティー】

音速で運航(ふつうは音速の2〜3倍)する輸送用の航空機。super-sonic transport(超音速輸送機)の。音速の2倍以上の飛行なら,音速の0.8倍程度を巡航速度とする一般のジェット輸送機と同じくらいの燃費が達成できる。1950年代半ば以降各国で研究が盛んになり,英仏共同開発のコンコルドが1976年から,旧ソ連のツポレフTu-144が1977年から営業運航に入った。しかし,コンコルドは住居地域にあたえる騒音公害のほか稼効率の低さや燃料費高騰などにより英仏両国の航空会社とも巨大な赤字運航となり,生産は量産型16機で1979年に打ち切られ,2003年運航停止。Tu-144は生産・運航とも中止。その後,2005年6月,日本とフランスの航空宇宙工業会は次世代SSTの共同研究で合意した。
→関連項目超音速機飛行機旅客機

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精選版 日本国語大辞典「SST」の解説

エス‐エス‐ティー【SST】

〘名〙 (supersonic transport の略) 超音速輸送機。

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世界大百科事典 第2版「SST」の解説

エスエスティー【SST】

super‐sonic transport(超音速輸送機)の略で,運航を主として音速より速い速度(ふつうは音速の2~3倍のM2~3)で行う輸送用の航空機。
[出現の背景]
 ジェット機は空気抵抗を小さく(揚抗比を大きく)保ちながら高速で飛ぶほど距離当りの燃料消費が少なくてすむ。しかし速度が音速(成層圏では約1060km/h)に近づくと抵抗が急に増すため,ふつうのジェット輸送機はその手前亜音速のM0.8あたりを経済的な巡航速度とし,これは1950年代の初期のジェット輸送機も現在もほぼ変わらない。

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世界大百科事典内のSSTの言及

【航空気象】より

…運航管理者は飛行計画に利用し,機長は飛行中の天気変化の判断に役立てる。
[超音速機と今後の気象サービス]
 1970年代前半に登場した超音速輸送機(SST)は巡航高度1万6000~1万8000m,巡航速度マッハ2であり,この飛行に影響を与える気象要素には,風,気温,雲,降水,乱気流などがあるが,このほかSSTから発生して地上に影響を与えるソニックブームや,SSTが受ける高空での強い太陽放射やオゾンの問題がある。成層圏ではジェット気流のような強い風は吹かないので,風については問題はないが,気温は重要である。…

【コンコルド】より

…イギリスとフランスが共同で開発したSST(超音速輸送機)。当初は両国でそれぞれ別個にSSTの開発が進められていたが,開発費が莫大となること,両機に共通性が多いことから,1962年共同開発することを協定した。…

※「SST」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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