日和下駄(読み)ヒヨリゲタ

デジタル大辞泉 「日和下駄」の意味・読み・例文・類語

ひより‐げた【日和下駄】

歯の低い差し歯下駄。主に晴天の日に履く。
[類語]下駄足駄駒下駄ぽっくり朴歯高下駄庭下駄雪下駄

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「日和下駄」の意味・読み・例文・類語

ひより‐げた【日和下駄】

  1. 〘 名詞 〙 晴天の日にはく、歯の低い差歯下駄。また、近世男子は遊び人、女子水商売の者のみが用いた、角形で歯の低い、差歯の黒塗りの下駄。ひよりあしだ。
    1. [初出の実例]「武を捨て巣籠る鶴の日和下駄」(出典:雑俳・表若葉(1732))

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

日本大百科全書(ニッポニカ) 「日和下駄」の意味・わかりやすい解説

日和下駄
ひよりげた

差歯(さしば)下駄の一種。足駄といわれる高下駄よりも歯が低いもので、前者雨天用なのに対して、日和下駄はその名のとおり晴天の日に履くものである。この下駄は、最初はぬかるみ用の普段履きとしてつくられ、江戸時代末期から一般に用いられた。形には角切、丸形、つま切(吉原下駄)がある。明治時代には女性は丸形を好み、台の上に畳表をつけたものを吾妻(あづま)下駄といい、女学生の間に人気を博した。畳表は南部、籐(とう)編み、竹皮などを利用した。

[遠藤 武]


出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

百科事典マイペディア 「日和下駄」の意味・わかりやすい解説

日和下駄【ひよりげた】

履物(はきもの)の一種。もと平足駄(ひらあしだ)と呼び足駄の低いもので,歯は差歯であった。晴天に使用されたためこの名があるが,現在は雨天に爪皮(つまかわ)をつけて用いられることが多い。
→関連項目下駄

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

デジタル大辞泉プラス 「日和下駄」の解説

日和下駄

日本ポピュラー音楽。歌は女性歌手、美空ひばり。1954年発売。作詞作曲米山正夫

出典 小学館デジタル大辞泉プラスについて 情報

世界大百科事典(旧版)内の日和下駄の言及

【下駄】より

…今は多く桐を用いる。二枚歯の低い差歯下駄は日和(ひより)下駄(利休下駄)といい,雨あがりの歩行にはかれた。台の厚い差歯下駄を助六下駄,後ろだけに歯を入れたものを後歯下駄といい,同じ用途である。…

※「日和下駄」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

カイロス

宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発を進めるイプシロンSよりもさらに小さい。スペースワンは契約から打ち上げまでの期間で世界最短を...

カイロスの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android