罹災証明書(読み)リサイショウメイショ

デジタル大辞泉 「罹災証明書」の意味・読み・例文・類語

りさい‐しょうめいしょ【×罹災証明書】

火災風水害地震などで被災した家屋や事業所などの被害の程度を証明する書類市町村自治事務として現地調査を行い発行するもので、全壊大規模半壊半壊一部損壊全焼半焼床上浸水床下浸水流出などの区分で被害の程度を認定する。被災者生活再建支援金災害復興住宅融資などの被災者支援制度の適用を受けたり、損害保険の請求などを行う際に必要となる。→被災証明書

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共同通信ニュース用語解説 「罹災証明書」の解説

罹災証明書

罹災りさい証明書 地震や風水害などの被害に遭った住宅を市町村が調べ、被害の程度を「全壊」「大規模半壊」など6段階で判定し、交付する証明書。仮設住宅への入居や被災者生活再建支援金の給付、税金の減免などの公的支援を受ける際に必要になる。災害対策基本法では、遅滞なく交付しなければならないと定められているが、現地調査に時間がかかることが課題となっている。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「罹災証明書」の意味・わかりやすい解説

罹災証明書
りさいしょうめいしょ

被災した住宅や事業所の被害状況などを公的に証明する書面。被災者の要請に基づき、市町村が被害状況を調査したうえで、市町村長が発行する。日本赤十字などの義援金の配分災害弔慰金や被災者生活再建支援金の給付、仮設住宅への入居、住宅の応急修理、固定資産税などの税金や社会保険料、公共料金の減免・猶予、住宅金融支援機構からの災害復興住宅融資災害援護資金からの融資、損害保険の請求などについては、罹災証明書の内容によって支援内容が左右されるため、被災者の生活再建に大きな影響を与える。罹災証明書には法的根拠がなく、被災状況の評価法が自治体により異なるという問題があった。また、東日本大震災の際に罹災証明書の発行に手間どったため、被災者への支援に遅れが生じたこともあり、2013年(平成25)施行の改正災害対策基本法で罹災証明書の速やかな発行が市町村長に義務づけられた(第90条の2)。

 罹災証明書の発行対象となる災害は、地震、津波、高潮、暴風雨、洪水、崖(がけ)崩れなどの自然災害のほか、火災や爆発などである。住宅被害を必須(ひっす)の証明事項としており、損害割合が50%以上の「全壊」、40%以上50%未満の「大規模半壊」、20%以上40%未満の「半壊」、20%未満の「一部損壊」の4区分がある。各自治体の判断で、住宅以外の不動産、家財や自動車などの動産、人的被害などについても証明事項とすることができるほか、「全焼」「半焼」「床上浸水」「床下浸水」「流出」などの区分発行も可能である。内容に不満のある被災者は、各自治体に被災住宅の再調査を依頼することができ、その結果必要と判断された場合には罹災証明書が再発行される。

 各自治体は速やかに罹災証明書を発行するため、専門職員の育成のほか、被災時の職員相互派遣協定などを他の自治体と結ぶよう義務づけられている。なお類似証明に被災証明書があるが、被災証明書は住宅以外のおもに家財や自動車などの動産が被害を受けたことを証明する書面である。

[編集部 2015年12月14日]

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知恵蔵mini 「罹災証明書」の解説

罹災証明書

被災者生活再建支援法に基づき、各市区町村(自治体)が、災害被害に遭った被災者の申請で家屋の被害状況の調査を行い、「全壊」「大規模半壊」「半壊」「一部損壊」等を認定して発行する証明書のこと。この証明書によって住宅が全壊(全焼・全流失)した世帯、あるいは住宅が半壊または敷地等に被害が生じてやむなく解体した世帯、大規模半壊世帯と認定されると、被災者生活再建支援金の支給対象となる。家屋の被害の度合いに応じて支援金の額や支援の規模も異なる。2016年4月に発生した熊本地震においては、市町村の人手不足のため、地震発生から1カ月を経た時点でも申請者の4割程度に発行がとどまっている。罹災証明書発行の遅れが生活再建の足かせとなっているとの指摘がある。

(2016-5-17)

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