財政法で発行が認められている国債で、調達した資金は公共事業や出資金など国民の財産になる使い道に限られる。財源不足を補うため特例法に基づき発行する赤字国債と区別されるが、市場で流通する段階では同じ借金として扱われる。2022年度の当初予算は建設国債が6兆2510億円、赤字国債は30兆6750億円を計上した。
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日本の一般会計において、公共事業費、出資金および貸付金の財源として発行される国債。おもに公共事業の財源となるので、そのようによばれる。財政法(昭和22年法律第34号)第4条を発行の根拠とするため、「4条国債」と称することもある。財政法第4条では公債(国債)不発行が原則とされており、建設国債は同条の但書によって発行が認められている。一般会計における経常経費の財源とするために、いわゆる特例公債法を根拠として発行される赤字国債(あるいは「特例国債」と称する)と対比される。なお、使途が公共事業であっても、特別会計で発行される国債(復興債など)や会計年度内に償還する財務省証券は建設国債とはよばない。
建設国債の対象となる公共事業費の内容は、各年度の一般会計の予算総則で示される。建設国債は約60年間で全額を現金償還する60年償還ルールの対象となるが、おおむね40年以上の耐用年数のある施設などで特定財源が充当されない事業に用いられる。建設国債は1966年度(昭和41)当初予算で初めて発行されて以来、2024年度(令和6)時点まで毎年度発行されている(2023年度決算の発行額は9兆0679億円)。財政法第4条は、施行された1947年から改正されていないが、対象事業については2023年度から、従来は対象外であった自衛隊の施設整備費や艦船の建造費などが含まれるようになった。
[浅羽隆史 2024年12月16日]
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「赤字国債」のページをご覧ください。
出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報
…これに対し,経常支出をまかなうために発行する公債(赤字公債)は,後に資産を残さないから現在の世代が後世代の負担のうえで消費を楽しむことになり,世代間の財政負担が不公平になる。日本の財政法は原則として公債発行を禁止しているが,4条1項で,公共事業,出資金および貸付金の財源として国会の議決を経た範囲内で公債(国債)を発行できるとし,建設公債(建設国債)の発行を容認している。国債【宇田川 璋仁】。…
… 1965年度にはいると不況の深刻化による税収の著減が見込まれ,財政法4条の特例として2690億円の国債発行が国会で決定され(年度末に実際に発行された額は1972億円),ここに戦後の国債制度は新たな段階を迎えた。66年度以降は財政法4条但書に基づいて(これを建設国債という),公共事業費の範囲で毎年発行が継続された。国債は金融機関のシンジケート団によって引き受けられたが,発行後1年たつと日銀の買いオペレーションの対象となり,大部分は日銀,資金運用部の保有となった。…
※「建設国債」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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