カネボウ[株](読み)カネボウ

百科事典マイペディア 「カネボウ[株]」の意味・わかりやすい解説

カネボウ[株]【カネボウ】

1886年創立の東京綿商社を始まりとする。1889年,隅田川河畔の鐘淵工場で操業を開始したことに因み,翌年社名を鐘淵紡績改称。一時三井の援助を請うたが,日清戦争ごろから合併などで急発展,製糸,羊毛,人絹にも進出した。第2次大戦後はナイロン合成樹脂また化粧品,食品など多角経営策をとる。1971年鐘紡に改称,2001年1月現社名。多角化の各事業を担った子会社の発展・確立とともに,子会社の本体吸収の方針を打ち出し,1981年にはカネボウ化粧品,カネボウ・ディオールなどの子会社を吸収している。しかし,主力5分野を称して〈ペンタゴン経営〉ともよばれた多角化経営が行きづまり,2003年10月に花王との化粧品部門の事業統合を発表,再建を図るもののこの計画はいったん白紙に。2004年3月産業再生機構が支援を決め,再建を模索する。過去の巨額な粉飾決算が問題とされ,2005年6月上場廃止となりカネボウ化粧品の傘下に。2006年カネボウ化粧品は花王の子会社となり,カネボウ本体は国内投資ファンド3社が運営するトリニティ・インベストメントが傘下に収めた。現在は旧カネボウとは資本関係のないカネボウ・トリニティ・ホールディングスが持株会社として日用品薬品,食品などの事業会社を抱える企業体となっている。2007年7月に持株会社はクラシエホールディングスに社名変更,傘下各社の商標も〈クラシエ〉に統一する。
→関連項目朝吹英二鐘淵化学工業[株]武藤山治

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