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産業再生機構 さんぎょうさいせいきこう

ASCII.jpデジタル用語辞典の解説

産業再生機構

産業と金融を一体化した再生を目的にして、2003年4月に政府と民間の共同出資で設立された株式会社預金保険機構の子会社である。再建可能な企業が抱える債権を主力銀行以外の金融機関から時価で買い取り、主力銀行とともに当該企業の再建を支援する。企業が再建可能かどうかは、産業再生機構内に設立された産業再生委員会が判断する。債権の買取額は10兆円であり、買取期間は2005年3月末、産業再生機構の存続期間は5年に限定されている。再建した企業の債権は、投資ファンドや投資家に売却されることになる。

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知恵蔵の解説

産業再生機構

2003年4月、支援による企業再生と不良債権処理の促進による信用秩序の維持を目的に、5年間の時限組織として、資本金約500億円で設立された政府関与の株式会社。金融機関の保有する経営不振企業の債権や株式を買い取り、当該企業の経営の立て直しを支援するのが業務。支援企業の債権や株式をスポンサー企業に売却するか支援企業の債務完済をもって支援は終了し、機構は解散する。機構は債券買い取り期限の05年3月までに、41件の支援を決めた。当時は本来市場から退場すべき企業まで支援したとの批判や、再建に失敗した場合には国民負担になるとの懸念もあった。しかし機構は全ての支援を終え、07年3月に解散した。機構の清算結果は、国民負担を回避し、株主への配分や国庫納付、納税を実現した。

(本庄真 大和総研監査役 / 2008年)

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朝日新聞掲載「キーワード」の解説

産業再生機構

大手銀行の不良債権問題を解決するため、小泉政権による2002年秋の総合デフレ対策に、機構の設立が盛り込まれた。5年間の時限的な組織として、国の出資で03年に発足した。  大手銀行に不良債権の処理を迫ると、巨額の借金をしている企業にお金が回らず破綻(はたん)しかねない。このため、大手銀行などが持つ経営が悪化した企業の債権を機構が買い取り、公的な管理下に置いて、企業を再建するねらいだった。資産査定とは、債権の買い取り額を確定させるための調査のことだ。  当初予定より1年前倒しして07年に解散。それまでに計41社を支援した。

(2014-10-06 朝日新聞 朝刊 1経済)

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デジタル大辞泉の解説

さんぎょうさいせい‐きこう〔サンゲフサイセイ‐〕【産業再生機構】

金融と産業の一体的再生を進めるために、平成15年(2003)預金保険機構の下に設立された政府関与の株式会社。企業再生が可能であるにもかかわらず金融機関間で調整が困難なために再生計画が進まない案件について、機構が非メインバンクから債権を買い取り集約化を行うほか再生計画の設立のため中立的な立場から調整を行うのに加えて、再生支援のための融資保証等を行った。平成19年(2007)3月解散。

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百科事典マイペディアの解説

産業再生機構【さんぎょうさいせいきこう】

不良債権処理問題を解決し,金融再生と産業活性化を同時に進めることを目的に2003年4月発足した株式会社で,預金保険機構農林中央金庫が出資(資本金約500億円)。
→関連項目整理回収機構大京[株]

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外国為替用語集の解説

産業再生機構

2002年10月に公表された総合デフレ対策で設立が決められた特殊会社。産業再生機構の株式は政府が保有する。2003年4月16日設立。有用な経営資源を有しているものの過大な債務を負っている事業者を救済するため、金融機関が有している債権を一時的に買取り、再編に係る調整を容易にし、産業の再生を支援する機関。不良債権回収を手がける整理回収機構とは異なる。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

産業再生機構
さんぎょうさいせいきこう

再生可能な不振企業の債権を買い取り,再生を支援するために日本政府が創設した機関。 2002年 10月に策定された「総合デフレ対策」の一環として設立された。支援対象は,経営不振に陥ってはいるものの技術力をもち将来性がある企業。そうした企業が抱える金利減免債など「要管理債権」を,その企業の非主力銀行から適正な時価で買い取り,企業の主力銀行と協調して再建を支援する。買い取った債権は3年以内に新たな支援企業に売却する。ただし,私的整理が円滑に進まない場合は,会社更生法民事再生法による法的手続きをとる可能性もある。産業再生機構は再生企業への出資や融資ができる事実上の金融機関で,官民で出資する。買い取り資金枠は 10兆円。機構内に設置される産業再生委員会が,対象となる企業の再生の可能性を判定する。 2002年4月に産業再生機構法が成立,2003年5月8日に業務を開始した。初代社長には斉藤惇元野村証券副社長が就任した。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

産業再生機構
さんぎょうさいせいきこう

不良債権を処理し、企業再建を果たすために公的資金を活用した官民ファンド。2003年(平成15)4月に設立され、2007年3月に解散。英語名はIndustrial Revitalization Corporation of Japan。2002年の「小泉改革」の目玉政策として、1992年のスウェーデン金融危機時に設立された国有資産管理会社のセキュラムSecurumを参考に創設が決まった。株式会社産業再生機構法(平成15年法律第27号)に基づき発足。株主は預金保険機構と農林中央金庫で、最終的な資本金(増資後)は505億0700万円。有望な経営資源をもちながら巨額の借金(不良債権)に苦しむ企業に対し、不良債権の時価買い取り、出資、融資、債務保証、信託などの支援策を実施。主力銀行と協力しながら、債務の一部免除やデット・エクイティ・スワップ(債務の株式化)を進め、企業再建を後押しし、企業から買い取った債権や株式は新たなスポンサー企業などへ売却した。産業再生機構が支援した企業には、日用品・食品のカネボウ、流通・小売りのダイエー、マツヤデンキ、建設・不動産のダイア建設、大京、ミサワホームホールディングス、運輸のスカイネットアジア航空、観光業の日光・鬼怒川(きぬがわ)温泉のホテル群などがあり、4年強の間に合計41企業・グループの再建を手がけた。
 公的資金の活用は民間企業の公正な競争を阻害するとの批判があったため、産業再生機構は5年間の時限組織として発足した。しかし当初計画より早めに不良債権処理のめどがつき、計画より1年早い2007年3月15日に解散し、同年6月5日に精算を終えた。清算結了時の残余財産は約940億3200万円で、そのうち約507億4900万円を株主に分配し、残りの約432億8200万円を国庫に納付した。そのほか、存続期間中の国税および地方税の通算納税額は約312億円である。これにより公的資金の活用に伴う国民負担はまったく生じず、日本初の官製再生ファンドである産業再生機構の成功は、日本で企業再生ビジネスが定着するきっかけとなった。機構職員の9割は金融、会計、法務など民間出身者が占めていたため、解散・精算後、機構から多くの企業再生のプロを輩出する結果となった。とくに存続期間をくぎった時限措置が、スピード感ある不良債権処理と企業再生につながったと評価されている。リーマン・ショック後の2009年には、官民ファンドである産業革新機構と企業再生支援機構(現、地域経済活性化支援機構)が誕生し、ふたたび民間企業への公的資金投入が始まっている。[矢野 武]

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