カリスト(英語表記)Kallistō

デジタル大辞泉 「カリスト」の意味・読み・例文・類語

カリスト(Kallistō)

ギリシャ神話で、アルテミスに仕えたニンフゼウスに愛されてアルカスを産んだため、ゼウスの妃ヘラによって熊にされた。
(Callisto)木星の第4衛星で、すべての衛星のうち8番目に木星に近い軌道を回る。1610年にガリレオ=ガリレイが発見。名はに由来。エウロパ同様、表面の氷の層の下に液体の海が存在する可能性があるとされる。直径は約4800キロ(地球の約0.38倍)。

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精選版 日本国語大辞典 「カリスト」の意味・読み・例文・類語

カリスト

  1. ( [ギリシア語] Kallistō ) ギリシア神話アルカディアのニンフ。女神アルテミス(ヘラ)に仕える狩人であったが、ゼウス(ジュピター)に愛されて、アルカスを生んだ。そのためアルテミスの怒りにふれ、牝熊にされた。一説に、ゼウスによって母は大熊座の星に、アルカスは牛飼座の星アルクトゥルスにされたという。

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改訂新版 世界大百科事典 「カリスト」の意味・わかりやすい解説

カリスト
Callisto

木星の第Ⅳ衛星。1610年,G.ガリレイによって発見された。光度は5.6等。ギリシア神話のニンフのカリストにちなんで名づけられた。木星中心より188万2860km(木星半径の26.37倍)のところをほぼ円軌道を描いて,16.689018日で公転している。半径は2403kmで太陽系で3番目の大きさをもつ衛星である。質量は1.0800×1026g(木星の5.6867×10⁻5倍)で,平均密度は1.84g/cm3と求められる。明るい縁取りをもったきわめて多くの古いクレーターに覆われており,表面の氷はうすよごれているらしく全体に黒っぽく見える。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「カリスト」の意味・わかりやすい解説

カリスト(木星の第四衛星)
かりすと
Callisto

木星の第4衛星。ガリレイが1610年に発見した4個のいわゆるガリレオ衛星一つである。木星の中心からおよそ188万キロメートルのところを16.6890日で公転している。直径4820キロメートルで、木星の衛星中でガニメデに次いで大きく、質量は地球の0.0159倍、密度は1.81と比較的小さく、表面には厚い氷の地殻があると考えられている。ボイジャー探査機により多くのクレーターなどの地形が観察された。

[村山定男]



カリスト(ギリシア神話)
かりすと
Kallistō

(1)ギリシア神話で、狩猟をつかさどる処女神アルテミスに仕えるアルカディアのニンフ(あるいはリカオン王の娘)。ゼウスに見そめられて、むりやりその愛を受け、息子アルカスを産むが、純潔の誓いが破られたのを怒ったアルテミス(あるいは嫉妬(しっと)したヘラ、またはヘラの目を恐れたゼウス自身ともいう)により熊(くま)に変えられた。一方、成長したアルカスは、母とも知らずにこの熊を槍(やり)でしとめようとするが、ゼウスの計らいによりその直前に母はおおぐま座に、息子はうしかい座に変身させられたという。

(2)ギリシア神話の英雄オデュッセウスの姉妹のこと。

[丹下和彦]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「カリスト」の意味・わかりやすい解説

カリスト
Kallisto

ギリシア神話のニンフ。アルカディアに住み,アルテミスに従って,処女のまま狩猟に日をおくっていたが,アルテミスの姿をかりて彼女に近づいたゼウスによって貞操をけがされ,妊娠したために,処女女神アルテミスの怒りに触れて雌ぐまに姿を変えられてしまった。彼女から生れた息子アルカスは,成長して彼の名にちなみアルカディアと命名された地方の王となったが,ある日,山中で狩りをしているときに雌ぐまのカリストと出会い,母と知らずにこれを射殺しようとしたので,ゼウスは母殺しの罪が犯されるのを防ぐため,アルカスもくまに変え,母子をともに天に上げて,カリストを大熊座,アルカスを小熊座にしたという。

カリスト
Callisto

木星 IVとも呼ばれる木星の第4衛星。 1610年に発見されたガリレイの四大衛星の一つ。実視等級6等,直径約 4890km,公転周期は約 16.7日。 1979年ボイジャー1,2号によって表面の写真が撮られ,隕石孔のほかに,水星の盆地に似た大リング構造の存在が明らかになった。

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百科事典マイペディア 「カリスト」の意味・わかりやすい解説

カリスト

木星の第IV衛星。1610年にG.ガリレイが発見。木星の中心から188万2940km(木星半径の26.37倍)のところをほぼ円軌道を描いて,16.689018日の周期で公転。太陽系で3番目に大きな衛星で,半径は2403km。明るい縁取りのある多数の古いクレーターで覆われている。

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デジタル大辞泉プラス 「カリスト」の解説

カリスト

ロボットアニメ「機動戦士ガンダム」のテレビシリーズのひとつ「機動戦士Vガンダム」に登場する宇宙戦艦。ザンスカール帝国軍の主力巡洋艦。全長310メートル。

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世界大百科事典(旧版)内のカリストの言及

【アルテミス】より

…このためアルテミスは,やがてオリュンポスの十二神の列に加えられたものの,独身を通す許しを父神から得,彼女にならって純潔をまもることを誓わせた一群のニンフたちとともに,もっぱら山野に狩りをして時を過ごした。しかしニンフのひとりカリストKallistōは,ゼウスに愛されて一子アルカスArkasを生んだので,女神(またはゼウスの后のヘラ)の怒りにふれて熊に姿を変えられ,のちこの母子は大熊,小熊の星座となった。また高名な猟師アクタイオンAktaiōnは,狩りの最中,水浴中の女神の裸身を目にしたため鹿に変じられ,みずからの犬どもに八つ裂きにされたという。…

【クレーター】より

…火星の〈ヘラス盆地〉は直径が約1500kmあるが,その起源が本当にクレーターかどうかは不明である。木星の衛星カリストには〈バルハラ〉と呼ばれる多重リング型のクレーターがあるが,そのリングの外側の直径は約3000kmもあり,クレーター地形としては太陽系最大といえるかもしれない。 地球上にもクレーターは多数あったが,さまざまな地質活動によって大部分が消えてしまったと考えられている。…

※「カリスト」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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