翻訳|tuba
大型で低音の金管楽器の一種。その名は古代ローマの軍楽器トゥバから借りているが,19世紀中葉以来の歴史しかない。朝顔状の大きな開口がついた太い円錐管を,扱いやすく巻いて,変音用の弁を3~6個取り付けてあり,管形からはビューグル(元来は角笛の一種。牧畜,狩猟,警備などの信号用)系統の楽器といえる。典型的な巻き方では,輪廓が長円形を呈し,楽器をかまえると開口が上を向く。弁の構造にはピストンとロータリーの2方式がある。楽器の基調も何通りかあり,音楽の分野により,また国によってどれを採るか傾向が分かれるが,変ロ調が最も多く,ハ調と変ホ調がこれに次いでいる。管の巻き方を円環状とし,奏者が左肩からたすき掛けにかつぐようにしたヘリコンheliconとか,その開口部を派手に大きく作り,向きを変えられるように作ったスーザフォーンsousaphoneなどもある。管を思いきり太く,開口を前向きに大きく作ったリコーディング・ベースrecording bassは,レコード録音が初歩段階にあった時代に威力を発揮した低音楽器として,今も語り草になっている。
執筆者:中山 冨士雄
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リップ・リード楽器(唇を発音源とする気鳴楽器)の名。トゥーバともいい、古代ローマの楽器トゥバに由来するが、今日では、円錐(えんすい)管を基本として変音弁をもつ各種の低音金管楽器の総称となっている。一般には、吹奏時にベル(朝顔形開口)が上を向くようにつくられ、マウスピースは深いカップ形が主流である。F、E♭、C、B♭の各調につくられており、F管、E♭管は吹奏楽でいう中バスと同じで、さらに低いB♭管、C管は大バスにあたる。これより1オクターブ高いB♭管やC管、つまりユーフォニウムや小バスに相当するものは、フランスの管弦楽でよく用いられる。変音弁の数は3ないし6で、ロータリー式、ピストン式ともによく用いられる。変形としてヘリコン、スーザフォンなどのように、管が奏者の身体を取り巻くようにつくり、ベルを前方に向けたものもある。
[卜田隆嗣]
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…インド東部からマレーシア地域,ニューギニアまで広く分布する。トバの名はマレー系のデリス属に対する名称tubaから生じたものである。タチトバD.malaccensis Prainはマレー半島原産で,トバに似て茎はつる性であるが,直立する。…
…19世紀には弁やキーなどの付加により演奏能力の向上が図られた。サクソルン,チューバなどの新楽器も,ビューグル改良の試みを徹底的に推し進めた結果の産物と見ることもできる。なお今日では,複雑な転調や変化音も自在にこなす本格的設計のビューグルと,前述の信号ラッパとの中間ともいえそうな,簡易な設計のビューグルも作られており,パレード等のビューグル・バンドはこれを用いることが多い。…
※「チューバ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
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