バーサ(英語表記)Bhāsa

デジタル大辞泉 「バーサ」の意味・読み・例文・類語

バーサ(Vaasa)

フィンランド西部の都市。ボスニア湾の最狭部に位置する。17世紀初頭に建設。かつて造船業で栄え、現在は製材業製粉業機械工業などが盛ん。フィンランド独立戦争中、一時的に首都が置かれた。スウェーデン語話者が多く、ウーメオ航路で結ばれる。

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改訂新版 世界大百科事典 「バーサ」の意味・わかりやすい解説

バーサ
Bhāsa

古代インドのサンスクリット劇作家詩人生没年不詳。伝記,年代ともに不明であるが,劇作家としての名声は早くから文壇に知られ,詩聖カーリダーサ(4~5世紀)が先輩としてバーサの名を挙げていることなどから,3世紀ころの作家と推定される。バーサの作品はその名声にもかかわらず久しくわれわれの前に示されなかったが,1910年南インドのトラバンコールにおいて,彼の作品と推定される13種の戯曲が発見された。これらの戯曲が同一作家の作品であることは推測できるが,しかも一つとしてその中にバーサの作であることを記していない。果たしてその全部あるいは一部がバーサの真作であるか否かは確言できないが,少なくとも初期のサンスクリット古典劇の逸品であることはまちがいがなく,とくに史劇《スバプナバーサバダッターSvapnavāsavadattā》と《プラティジュニャー・ヤウガンダラーヤナPratijñā-yaugandharāyaṇa》は傑作と認められる。
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バーサ
Vaasa

フィンランド中西部,ボスニア湾に面した海港都市。人口5万7998(2007)。スウェーデン語を母語とする者が29.2%(1970)いる。この地方の中心だったムスタサーリの町を,スウェーデン王カール9世が1611年自分の王家の名であるバーサに改名させた。年8.5mmという急速な隆起で港が浅くなり困っていたところ,1852年大火があり,それがきっかけで約6km離れた現在地に移転した。大火の経験から,広い並木道が縦横に走っている。近年は各分野の工業が発達しているが,なかでも金属と機械工業が盛んで,この国を代表する企業がある。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「バーサ」の意味・わかりやすい解説

バーサ
Vaasa

フィンランド南西部,バーサ県の県都。ボスニア湾中部にある港湾都市。市民の約半分はスウェーデン語を話す。港は木材・木工製品の積出しのほか,スウェーデン行きの定期船が出ている。主要産業は,製材,メリヤス類,綿織物,製粉,パン,精糖,石鹸,自動車製造などがある。 1606年に創設され,1852年の大火後,8kmほど海岸寄りに移り,1917年までニコラインカウプンキとも呼ばれていた。 18年のフィンランド独立戦争中には白フィンランドの首都。人口5万 3738 (1992推計) 。

バーサ
Bhāsa

古代インドの劇作家。3世紀頃在世。『スバプナバーサバダッター (夢のバーサバダッター) 』 Svapnavāsavadattāなど 13種のサンスクリット劇の作家と伝えられる。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「バーサ」の意味・わかりやすい解説

バーサ(フィンランド)
ばーさ
Vaasa

フィンランド西部の港湾都市。ボスニア湾の最狭部に1606年創設された。人口5万7014(2001)。南部ポヒャンマー地方の中心地で、かつては造船が盛んであったが、現在では、機械、繊維・既製服などのほか、港湾に荷揚げされる原料を用いた精糖、コーヒーなどの工業が成立している。南部ポヒャンマー地方の穀倉地帯のみならず、ボスニア湾の対岸スウェーデンのウーメオなどとも経済的な結び付きがある。バーサ大学(1968創立)の所在地。

[塚田秀雄]


バーサ(サンスクリット劇作家)
ばーさ
Bhāsa

生没年不詳。古代インドのサンスクリット劇作家。3世紀ごろ活躍。カーリダーサの先駆者として名声は高かったが、1910年に初めて彼の作品と推定される13種の戯曲が南インドで発見された。これらの作品の全部、あるいは一部が彼の真作かどうかは確認されないが、『プラティジュニャーヤウガンダラーヤナ』と『スバプナバーサバダッター』はとくに優れ、古典劇隆盛の先駆をなすものとされる。

[田中於莵弥]

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百科事典マイペディア 「バーサ」の意味・わかりやすい解説

バーサ

3世紀ころのインドのサンスクリット劇作家,詩人。伝記不詳。カーリダーサがその名を挙げるなど,名のみ知られていたが,1913年に彼の作と推定される13種の戯曲が南インドで発見された。

バーサ

フィンランド西部,ボスニア湾岸の港湾都市。金属,機械などの工業が行われ,木材を輸出。スウェーデンとの間に定期航路を通じる。1852年の大火で約6km離れた現在地に移転。6万398人(2011)。

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世界大百科事典(旧版)内のバーサの言及

【インド演劇】より


[主要作家と作品]
 現存のサンスクリット戯曲中最古のものは,中央アジアから発掘されたアシュバゴーシャの2種の仏教劇断片である。劇作家バーサ(3世紀ころ)の名は古くから知られていたが,その作品と推測される13種の戯曲は1910年に南インドで発見された。バーサに次ぐ劇作家はシュードラカ(4世紀)で,彼の作に帰せられる《ムリッチャカティカー(土の小車)》は,社会劇として古典劇中特異の地位を占めている。…

【インド文学】より

…仏伝に取材した《ブッダチャリタ》(漢訳《仏所行賛》)はその代表作で,数世紀にわたる古典文学隆昌の先駆をなしたが,20世紀初めに中央アジアから彼の仏教劇の断片が発見されたことは,古典劇最古の実例を示すものとして文学史上注目に値する。劇作家バーサ(3世紀ころ)の名は古くからうたわれていたが,彼の作と認定される13種の戯曲は1910年にいたって南インドで発見された。その中の《チャールダッタ》は4幕までの未完成作品であるが,この劇を発展補足させた10幕の戯曲《ムリッチャカティカーMṛcchakaṭikā(土の小車)》はシュードラカの作に帰せられ,初期の古典劇中特異な社会劇として高く評価されている。…

※「バーサ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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