古代インドのサンスクリット劇作家,詩人。生没年不詳。伝記,年代ともに不明であるが,劇作家としての名声は早くから文壇に知られ,詩聖カーリダーサ(4~5世紀)が先輩としてバーサの名を挙げていることなどから,3世紀ころの作家と推定される。バーサの作品はその名声にもかかわらず久しくわれわれの前に示されなかったが,1910年南インドのトラバンコールにおいて,彼の作品と推定される13種の戯曲が発見された。これらの戯曲が同一作家の作品であることは推測できるが,しかも一つとしてその中にバーサの作であることを記していない。果たしてその全部あるいは一部がバーサの真作であるか否かは確言できないが,少なくとも初期のサンスクリット古典劇の逸品であることはまちがいがなく,とくに史劇《スバプナバーサバダッターSvapnavāsavadattā》と《プラティジュニャー・ヤウガンダラーヤナPratijñā-yaugandharāyaṇa》は傑作と認められる。
執筆者:田中 於莵弥
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フィンランド西部の港湾都市。ボスニア湾の最狭部に1606年創設された。人口5万7014(2001)。南部ポヒャンマー地方の中心地で、かつては造船が盛んであったが、現在では、機械、繊維・既製服などのほか、港湾に荷揚げされる原料を用いた精糖、コーヒーなどの工業が成立している。南部ポヒャンマー地方の穀倉地帯のみならず、ボスニア湾の対岸スウェーデンのウーメオなどとも経済的な結び付きがある。バーサ大学(1968創立)の所在地。
[塚田秀雄]
生没年不詳。古代インドのサンスクリット劇作家。3世紀ごろ活躍。カーリダーサの先駆者として名声は高かったが、1910年に初めて彼の作品と推定される13種の戯曲が南インドで発見された。これらの作品の全部、あるいは一部が彼の真作かどうかは確認されないが、『プラティジュニャーヤウガンダラーヤナ』と『スバプナバーサバダッター』はとくに優れ、古典劇隆盛の先駆をなすものとされる。
[田中於莵弥]
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[主要作家と作品]
現存のサンスクリット戯曲中最古のものは,中央アジアから発掘されたアシュバゴーシャの2種の仏教劇断片である。劇作家バーサ(3世紀ころ)の名は古くから知られていたが,その作品と推測される13種の戯曲は1910年に南インドで発見された。バーサに次ぐ劇作家はシュードラカ(4世紀)で,彼の作に帰せられる《ムリッチャカティカー(土の小車)》は,社会劇として古典劇中特異の地位を占めている。…
…仏伝に取材した《ブッダチャリタ》(漢訳《仏所行賛》)はその代表作で,数世紀にわたる古典文学隆昌の先駆をなしたが,20世紀初めに中央アジアから彼の仏教劇の断片が発見されたことは,古典劇最古の実例を示すものとして文学史上注目に値する。劇作家バーサ(3世紀ころ)の名は古くからうたわれていたが,彼の作と認定される13種の戯曲は1910年にいたって南インドで発見された。その中の《チャールダッタ》は4幕までの未完成作品であるが,この劇を発展補足させた10幕の戯曲《ムリッチャカティカーMṛcchakaṭikā(土の小車)》はシュードラカの作に帰せられ,初期の古典劇中特異な社会劇として高く評価されている。…
※「バーサ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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