フランネル(読み)ふらんねる

デジタル大辞泉 「フランネル」の意味・読み・例文・類語

フランネル(flannel)

紡毛糸平織りまたは綾織りにし、布面をやや毛羽立たせた柔らかな毛織物梳毛糸そもうし綿糸などを使ったものもある。肌着・パジャマ地・服地などに用いる。ネル。→フラノ

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精選版 日本国語大辞典 「フランネル」の意味・読み・例文・類語

フランネル

  1. 〘 名詞 〙 ( [オランダ語] flanel [英語] flannel ) 紡毛織物の一つ。平織またはあや織の、柔軟で、軽く、布面をややけば立たせたもの。フラノ。
    1. [初出の実例]「布羅涅児(フラネル)毛布の名)」(出典:ワートル薬性論(1840)一三)

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改訂新版 世界大百科事典 「フランネル」の意味・わかりやすい解説

フランネル
flannel

16世紀にイギリスのウェールズ地方で始まった毛織物。フラノは日本での略称。ネルとも呼び,綿ネルに対して本ネルという。経糸にやや強めの撚りをかけた紡毛糸,緯糸は甘撚りの紡毛糸を用いるが,経糸に梳毛糸(そもうし)や綿毛混紡糸を使ったものもある。織り上げた後,軽く縮絨し,片面,または両面に起毛仕上げをして毛羽を立たせる。手ざわりが柔らかく弾力があり,保温性に富む。平織で軽い起毛のものを英ネル,綾織のよく起毛したものをドイツネルと呼ぶ。白地無地,縞もの,霜降りなどがあり洋服地,和装地に使われる。産地はほとんど尾州地方(愛知県一宮市など)である。綿ネルは緯糸に綿の太めの甘撚糸を使ったもので,同様に起毛をし,肌着,ねまきなどに用いられる。
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百科事典マイペディア 「フランネル」の意味・わかりやすい解説

フランネル

日本では略してフラノとも。毛織物の一種。綿ネルをネルというのに対し本ネルとも。経(たて)糸,緯(よこ)糸とも紡毛糸を用いるか,経に梳毛(そもう)糸,緯に紡毛糸を使用し,製織後に軽く縮充して起毛する。英ネルは平織で起毛が軽く,ドイツネルは綾織で起毛が多い。柔軟で弾力があり保温性に富み,背広服,スーツ,シャツなどにする。綿ネルは下着,寝巻などにする。
→関連項目縮充フロック加工紡毛織物

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「フランネル」の意味・わかりやすい解説

フランネル
flannel

単にフラノ,ネルなどともいう。平織または斜文組織で,軽く縮絨 (フェルト化) し,表面を起毛した薄地紡毛織物,およびその類似織物。本ネル (純毛) ,綿ネル,スフネル,サクソニーフランネル (サクソニー羊毛) があり,組織により平ネル,綾ネル,また起毛状態により平面ネル,片面ネルがある。用途は紳士服,婦人服,綿ネルは下着,寝間着,ベビー服など。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「フランネル」の意味・わかりやすい解説

フランネル
ふらんねる

ネル

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