半無限弾性体の表層の横波速度が下層より遅い場合,表面に沿って伝わる弾性波で,ねじれを伝える。この波の存在は1911年ラブAugustus Edward Hough Love(1863-1940)により理論的に証明された。地球の表面を伝わる地震波の一種もラブ波と呼ばれる。ラブ波の振幅は表層から遠ざかるにつれて減少し,振動方向は,表面に平行で伝搬方向に垂直である。伝搬速度は波長が長いほど早くなり,分散を示す。波長0の極限では表層の横波速度に等しく,波長無限大の極限で下層の横波速度に等しい。表面に平行に偏光した横波が多重反射を起こし,表層内にとらえられた波と考えられる。地球自由振動のねじれ振動は,地球の曲率が無視できる範囲で,ラブ波とみなすことができ,内部構造の研究に用いられる。次数25~220のねじれ振動は,周期が40~300秒で,ほぼ一定の群速度をもち,孤立した大振幅の長周期波(G波と呼ばれる)を形成する。
執筆者:島崎 邦彦
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Love wave
半無限弾性体の上に,これよりS波速度の遅い一様な表面層があるとき,SH波からなる表面波が存在する。A.E.H.Love(1911)により理論的にその可能性が発見されたのでこの名称がある。上下動をもたない横波で分散性をもち,位相速度は周期0の極限で表面層のS波速度,周期とともに単調に増加し,長周期で半無限体内のそれに近づく。低速の表面層がエネルギーをとらえる一種のチャネル波とも,表面層内で反射を繰り返しつつ進む波の間に起こる干渉現象とも解釈しうる。表面に多くの層があるときにも,半無限体内よりS波速度の遅い媒質があれば同種類の表面波が存在しうるし,速度分布が連続的に変わる場合等にも理論を拡張しうる。境界面がすべて平行で,速度がこれに垂直な方向の座標の関数であるとき,この中に存在するSH波のみからなる境界面波は,すべてラブ型の波とふつうに称せられる。観測では通常,周期の長い波(10sec から数百secくらい)としてS波の後に見いだされる。
執筆者:佐藤 泰夫
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出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
→表面波
…地球の自由振動で,最も長い周期は,伸び縮み振動で54分,ねじれ振動で44分である。 表面波にはレーリー波とラブ波とがあり,前者は波の進む方向を含む鉛直面内で振動し,後者は水平面内で波の進む方向と垂直に振動する。P波,SV波,レーリー波は地球の伸び縮み振動に,SH波,ラブ波は地球のねじれ振動に対応している。…
※「ラブ波」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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