〈京都・山城寺院神社大事典〉
朝廷と密接な関係をもつ両賀茂社は、平安時代を通じて強力な経済的基盤として広大な社領を有するようになる。延暦四年(七八五)一一月に愛宕郡封戸各一〇戸が両社の神領とされたのをはじめ(続日本紀)、下鴨社には貞観七年(八六五)四月に神田五段(三代実録)、寛仁元年(一〇一七)には愛宕郡のうち
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…賀茂祭ともいい,京都の賀茂別雷(わけいかずち)(上賀茂)神社,賀茂御祖(みおや)(下賀茂,下鴨)神社の両社の例祭。祭りに参加する斎院をはじめ勅使らが葵の蔓(かずら)を身につけることからこの名を称した。古くは旧暦4月中の酉の日に行われていたが,現在は5月15日に行われる。石清水祭,春日祭とともに三大勅祭の一つ。806年(大同1)官祭となり,810年(弘仁1)斎院がおかれ皇女有智子内親王が斎王になって以来,同祭に奉仕するようになった。…
…祭神は賀茂建角身(たけつのみ)命と玉依媛(たまよりひめ)命。通称下鴨神社。賀茂別雷(わけいかずち)社より新しく,750年(天平勝宝2)に御戸代田1町を寄せられたのが史料上の初見。…
…古代・中世の皇室や伊勢神宮などの大神社に付属する,食料品調達にかかわる所領。平安時代末から鎌倉時代ごろには荘園とほとんど変わらないものとなったが,本来は荘園のような所領ではなく,厨は台所を意味し,むしろ供御(くご)物や神饌を調達するために,皇室や神社に所属した山民・海民集団の構成する機関とでもいうべき実態のものであった。御厨の名称は文献上では8世紀末ごろから見られるが,近江国筑摩(つかま∥ちくま)御厨のように天智天皇時代に建立されたという伝承をもつものもあり,実際にはもっと古くから存在していたと考えられる。…
※「下鴨神社」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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