出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報
埼玉県南東端の市。1956年八条・潮止(しおどめ)・八幡の3村が合体して八潮町となり,72年市制。人口8万2977(2010)。東境の中川(古利根川)と西境の綾瀬川にはさまれた標高2~5mの沖積低地からなり,中央部を葛西用水が貫流する。中世の郷名である八条は古代の条里制の遺名とされている。近世に江戸近郊の米作地帯として発展し,中川,綾瀬川の舟運も盛んであった。また江戸後期からは農家の副業として始められたゆかた染の生産は,伝統的な地場産業として知られる。東京都心から20km圏内にあるため,1960年代以降,工場進出,住宅地の造成が進められ,65年には県営草加八潮工業団地が完成して県下有数の工業都市に発展した。85年には首都高速三郷線が開通し,2005年に首都圏新都市鉄道つくばエクスプレス線も開業して,都内への交通が便利になった。地下水くみ上げによる地盤沈下など,急激な都市化による弊害も生じている。
執筆者:新井 寿郎
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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