数学者。京都市の生まれ。1910年(明治43)京都帝国大学理工科大学を卒業、第三高等学校講師を経て、母校の助教授に迎えられ、1921年(大正10)同大学理科大学教授となり、新設の第四講座(代数学・数論)を担当した。
群論の研究から始まり、数論研究における論文「合同について」は数学界を驚嘆させ、論文「イデアルの分解について」(1923)によって、世界の数学界の第一人者としての地位を確保した。後年に経済学に関心を寄せ、「価格変動に伴う分離可能財の需給変動」および「市場均衡の安定条件」と題する優れた論文を発表している。また、『日本書紀』における暦上の疑問を数学的に明白にした「書紀の暦について」と題する2編の論文は、注目すべき研究といわれる。
[小堀 憲]
出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」(2004年刊)20世紀日本人名事典について 情報
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出典 日外アソシエーツ「367日誕生日大事典」367日誕生日大事典について 情報
…代数的整数全体のなす環では,一般には素元分解の一意性が成り立たないため,E.E.クンマーが理想数を考え,J.W.R.デデキントはそれがイデアルで実現されることを見いだした。このようにして導入されたイデアルは一般の環にも適用され,園正造(1886‐1969)およびA.E.ネーターが独立にイデアル論の建設を始めた。とくにネーターの貢献は大きく,その後の環論(イデアル論,加群の理論を含む)は抽象代数学の最重要分野と見なされるほどに発展した。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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