大気汚染物質(読み)たいきおせんぶっしつ(その他表記)air pollution substances

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「大気汚染物質」の意味・わかりやすい解説

大気汚染物質
たいきおせんぶっしつ
air pollution substances

正常な大気には通常存在しないガス状,粉塵状の汚染物質,あるいは通常では存在しない量の汚染物質総称火山噴火や風の巻上げなど自然現象によるものもあるが,主として人の生産活動などに伴って排出された人為的な汚染物質をいう。現在測定できるものが 200種をこえるが,測定方法のない物質もある。法令では,微量であっても,健康や生活環境に相当程度に好ましくない影響を与える物質について,その排出を規制する。大気汚染防止法では,工場および事業場における事業活動に伴って発生する,(1) 煤煙 (硫黄酸化物,煤塵有害物質) ,(2) 粉塵,(3) 自動車排出ガス (一酸化炭素炭化水素窒素酸化物,鉛化合物,粒子状物質) を,規制の対象にしている。石油類の燃焼,化学工業の反応過程などから発生するものが多い。このうち有害物質はカドミウム塩素,窒素酸化物など5項目である。また人間の健康や生活環境に被害を与えるおそれのあるアンモニア,シアン化水素など 28物質を特定物質と定め,事故などに際しての措置を定めている。このほか,太陽光線を媒介にして,2次的に環境中で合成されるオキシダント,PANなどの光化学スモッグがある。また,放射性物質広義にはこれに入れられる。

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最新 地学事典 「大気汚染物質」の解説

たいきおせんぶっしつ
大気汚染物質

air pollutant

大気汚染の原因となる物質で,気体と粒子状物質からなる。日本の大気汚染防止法では,ばい煙,粉じん,自動車排ガス,揮発性有機化合物,有害大気汚染物質の5種類を規制。それぞれ,具体的な物質名が挙げられている。また,環境基本法で大気汚染に係わるとして環境基準が定められている物質は,二酸化硫黄,一酸化炭素,二酸化窒素,光化学オキシダント,ベンゼン,トリクロロエチレンテトラクロロエチレン,ジクロロメタン,ダイオキシン類,浮遊粒子状物質(SPM),微小粒子状物質(PM2.5)である。

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参照項目:大気汚染

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世界大百科事典(旧版)内の大気汚染物質の言及

【公害物質】より

…環境基本法2条では,事業活動その他の人の活動によって生ずる相当広範囲にわたる大気の汚染,水質の汚濁,土壌の汚染,騒音,振動,地盤の沈下,悪臭によって人の健康または生活環境にかかわる被害が生ずることを公害と規定しているが,公害の原因のうち,騒音,振動,地盤の沈下を除く,大気,水質,土壌の汚染および悪臭の原因物質を公害物質と呼んでいる。大気汚染物質は,大気汚染防止法によって,ばい煙,粉じん,自動車排出ガスおよび特定物質が指定されている。ばい煙では,硫黄酸化物,カドミウム,塩素,フッ化水素,鉛,その他の物質が,自動車排出ガスでは,一酸化炭素,炭化水素,鉛化合物,窒素酸化物,粒子状物質が指定されている。…

【大気汚染】より

…大気中にある大気汚染物質が原因となって,人間や動植物の生命活動,建築構造物や各種材料,土壌,水圏,気圏に変化が生じ,その結果,人間社会の生産活動と再生産活動に悪影響が生ずること。これは,人間にとっての生活および財産の正当な享受が妨げられる状態を強調したものであるが,最近ではさらに広義に,植物,動物,土壌,地形,気候および水理の組合せである生態系の安定性が,人間社会の生産,流通,消費の各過程で排出される大気汚染物質によって急速に妨害されることと定義されるようになった。…

※「大気汚染物質」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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