寝屋川(読み)ネヤガワ

デジタル大辞泉 「寝屋川」の意味・読み・例文・類語

ねや‐がわ〔‐がは〕【寝屋川】

生駒山地に源を発し、寝屋川市を流れ、大阪市内で淀川に合流する川。
大阪府北東部の市。東部の枚方ひらかた丘陵西部の淀川・寝屋川の低地からなる。住宅地。人口23.8万(2010)。

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精選版 日本国語大辞典 「寝屋川」の意味・読み・例文・類語

ねや‐がわ‥がは【寝屋川】

  1. [ 一 ] 大阪府を流れる淀川の支流枚方(ひらかた)丘陵の南部に発し、南流して大東市にはいり、西流して大阪市中央区と都島区との境で平野川を合わせ、大川(旧淀川)に合流する。下流部は運河に利用。長さ二一キロメートル。
  2. [ 二 ] 大阪府北東部の地名。枚方丘陵と淀川左岸の低地にまたがる。JR片町線、京阪電鉄本線が通じる大阪市の住宅衛星都市。昭和二六年(一九五一)市制。

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日本歴史地名大系 「寝屋川」の解説

寝屋川
ねやがわ

第二寝屋川に対して第一寝屋川ともいう。交野かたの市の生駒山地(妙見山南西)に源を発し(「タチ川」とよばれる)、寝屋川市の寝屋地区の西で北谷きたたに川を合流、大東だいとう市中央部を南流したのち同市のはま町で流路を西に向け、東大阪市を経て大阪市鶴見区に至る。さらに西流して城東区を抜け都島みやこじま区と東区の区境を流れて天満てんま橋の手前で大川(旧淀川本流)に流入する。指定流路延長二一・二キロ。寝屋川市から大東市を流れる間に生駒山地から流れ出す讃良ささら川・清滝きよたき川・権現ごんげん川などを合せ、大東市住道すみのどうでは北流してきた恩智おんぢ川を合せる。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「寝屋川」の意味・わかりやすい解説

寝屋川(市)
ねやがわ

大阪府北東部、淀(よど)川左岸にある市。1951年(昭和26)市制施行。1961年水本(みずもと)村を編入。2001年(平成13)特例市に、2019年中核市に移行。JR片町線、京阪電気鉄道京阪本線、国道1号、寝屋川バイパス、鳥飼仁和寺大橋有料道路、第二京阪道路、国道163号、170号(大阪外環状線)が通じる。市域は、東部の枚方(ひらかた)丘陵と西部の淀川・寝屋川の低湿地に二分され、低湿地は水害が多く、古代には記紀にみえる茨田堤(まんだのつつみ)、近世には豊臣(とよとみ)秀吉による文禄堤(ぶんろくづつみ)などの堤防が築かれ、治水が図られた。堤防上は参勤交代路ともなった。明治末期、京阪電鉄が開通して大阪市内と結ばれ、香里園(こうりえん)の住宅地の開発が進められた。第二次世界大戦後は丘陵地の住宅地化が進み、低地部では工場進出が目だっている。また、大阪電気通信大学、摂南大学があり、学園都市でもある。「成田さん」で親しまれる成田山不動尊は千葉県成田山の別院で、交通安全の祈願が多い。国指定史跡に石宝殿古墳高宮廃寺跡がある。なお、御伽草子(おとぎぞうし)の「鉢かづき」の話は東高野(ひがしこうや)街道沿いの寝屋(旅人の宿)を舞台にしたものといわれる。面積24.70平方キロメートル、人口22万9733(2020)。

[安井 司]

『『寝屋川市誌』(1966・寝屋川市)』『『寝屋川市史』全10巻(1991~2008・寝屋川市)』


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改訂新版 世界大百科事典 「寝屋川」の意味・わかりやすい解説

寝屋川[市] (ねやがわ)

大阪府北東部の市。1951年市制。人口23万8204(2010)。市域の東部は枚方(ひらかた)丘陵に当たり,西部は,淀川に沿う低地である。丘陵からは縄文時代や弥生時代の土器が出土し,古墳も多い。東高野街道に沿った打上(うちあげ)には,古墳時代終末期の横口式石槨墳といわれる石宝殿(いしのほうでん)古墳(史)がある。淀川低地には支流の寝屋川,古川が流れ,自然堤防が発達し,古くからの集落には,水防のための段蔵がみられる。江戸時代にはワタ作が盛んであったが,明治以降れんこんなどの生産に変わった。1910年の京阪電鉄開通以後,丘陵地の香里園(こうりえん)を中心に住宅地化が始まり,60年前後から淀川低地部へ拡大した。低地部には国道1号線や大阪外環状線に沿って金属機械,電気などの工場や倉庫も進出し,住宅と工場が混在している。成田不動尊の別院や北河内の式内社中唯一の大社である高宮神社がある。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「寝屋川」の意味・わかりやすい解説

寝屋川
ねやがわ

大阪府を流れる淀川の一支流。枚方丘陵に源を発し,南西流して寝屋川,大東両市内などを貫流,大阪市中央区京橋を経て大阪城の北で旧淀川に注ぐ。全長 25km。江戸時代は野崎参りの舟運で知られた。上・中流は灌漑に利用されるが,下流は沿岸に機械,化学の中小工場が多く,その工場排水路となっているため,水質汚濁が問題となっている。

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百科事典マイペディア 「寝屋川」の意味・わかりやすい解説

寝屋川[市]【ねやがわ】

大阪府北部の市。1951年市制。淀川左岸の低地と枚方(ひらかた)丘陵にまたがり,1910年京阪電鉄の開通後住宅地として発展,香里園地区には大住宅団地がある。片町線が市東端に通じる。旧国道1号線沿いには金属・機械・紡績工場が立地する。24.70km2。23万8204人(2010)。

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