プラトン哲学の用語。知識と人間の魂の本来の関係を説き明かす説話(ミュートス)の一つ。人間の魂は初め別の世界にあり、そこで真実在(イデア)をみて、その知識をもっていた。しかし、肉体の内に入ることによってその知識を忘却してしまう。そこで、この世で肉体の感覚を通じてみるもののなかに、魂が以前にみた真実在に類似するものをみいだし、以前にもっていた知識を想(おも)い出してゆく過程が想起(アナムネーシス)である。それは、魂の本性に植え付けられている真の知識を魂が回復してゆく過程であり、学習は本来の意味ではすべて想起であり、哲学はこの想起の道筋を与えると説かれた。プラトンの中期の対話篇(へん)『メノン』『パイドン』『パイドロス』のなかにみられる。
[加藤信朗]
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
…一方,われわれは数学や論理学の命題のような無時間的なものについても,その記憶を語る。ある命題が知識として保持され再生されるならば,たとえ習得時の状況などが明確に想起されなくても,その知識は記憶といわれるわけである。しかし,単なる知識の所有が記憶ではない以上,そこでは暗黙のうちに過去における知識の習得とその保持と再生が前提されているのである。…
※「想起」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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