翻訳|dispersion
統計データのばらつきの度合を表す量のことを一般に散布度と呼び,分散,標準偏差,不偏分散,平均偏差,データの範囲などがある。もっともよく用いられるのは,分散,標準偏差である。データを
x1,……,xn,平均値\(\frac{x1+……+xn}{n}\)をx
とする。データが平均値のまわりにどの程度ばらついているかを示す尺度で,を分散という。容易にわかるようにとなるから,分散の計算にはデータの2乗の平均値から,x2を引算すればよい。分散の平方根を標準偏差と呼ぶ。おおざっぱにいえば,分散が大きい場合にはばらついているが,極端にはずれたデータがあれば,それ以外のばらつきが小さくても分散が大きくなる。Σ(xi-x)2をnで割る代わりに(n-1)で割ったもの,すなわちを不偏分散といい,母集団分布の分散vに対する不偏推定量となるため,vが未知の場合の推定,検定によく用いられる。を平均偏差と呼び,データの最小値から最大値までの範囲をデータの範囲という。
執筆者:西尾 真喜子
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
…(1)波などの振動に関する物質定数が,振動数によって変わる現象。例えば,光に対する媒質の屈折率が波長によって変化する現象が光分散である。光がプリズムを透過するとき,光の進行方向が波長によって異なるのも光分散現象の一例で,プリズム分光の基本原理となっている。媒質中の光の屈折率と波長との関係は,1835年にA.L.コーシーが弾性波動説に基づき分散式を導出してから多くの研究がなされている。光分散【朝倉 利光】(2)ある均一な物質の中に他の物質が微粒子状になって分布していく現象。…
※「散布度」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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