滑滑(読み)ぬらぬら

精選版 日本国語大辞典 「滑滑」の意味・読み・例文・類語

ぬら‐ぬら【滑滑】

[1] 〘副〙 (「と」を伴って用いることもある)
表面粘液や油が付いていて、触れたりつかんだりすると滑りやすいさまを表わす語。ぬるぬる。ぬらくら。
※玉塵抄(1563)二七「しるのなめらかにぬらぬらとするを滑と云ぞ」
河童(1927)〈芥川龍之介〉一三「僕はぬらぬらする河童の皮膚に手を触れることを余り好んではゐないのですが」
② 鈍い動きで進むさまを表わす語。ぬらりぬらり。ぬらくら。
※思出の記(1900‐01)〈徳富蘆花〉八「牛の歩のぬらぬら行くことと定めた」
[2] 〘形動〙 (一)①に同じ。
湖畔手記(1924)〈葛西善蔵〉「湯垢やら硫黄やらでヌラヌラになってゐた」
[3] 〘名〙 (一)①のような状態。また、そのもの。
児童のお弁当百種(1931)〈小林完〉五「里芋は〈略〉ヌラヌラのないやうに茹で」

すべ‐すべ【滑滑】

[1] 〘副〙 (「と」を伴って用いることもある) すべるようになめらかなさま、主として、手ざわりのなめらかなさまを表わす語。
※十問最秘抄(1383)「幽玄なる詞は、さはさはすべすべと聞こゆる也」
※彼岸過迄(1912)〈夏目漱石停留所「すべすべした羽二重の裏が」
[2] 〘形動〙 手ざわりのなめらかなさま。
※オキナワの少年(1971)〈東峰夫一二「象の鼻は生徒たちの手でみがかれて、スベスベになっている」

つら‐つら【滑滑】

〘副〙 (多く「と」を伴って用いる)
① つづけてしたたり落ちるさまを表わす語。
今昔(1120頃か)一九「刀に随て、血つらつらと出来(いでき)けるを」
② なめらかにすべるようにして出るさまを表わす語。
※詞葉新雅(1792)「ツラツラトイフ 口どにいふ」

ぬめ‐ぬめ【滑滑】

〘副〙 (「と」を伴って用いることもある) なめらかで、すべるようなさまを表わす語。ぬらぬら。ぬるぬる。
名語記(1275)三「ぬめる、ぬめぬめなどいへる、ぬめ、如何。なでたる物はぬめぬめとなれば也」
記念碑(1955)〈堀田善衛〉「足の裏を冷たいぬめぬめする石につけて」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「滑滑」の意味・読み・例文・類語

すべ‐すべ【滑滑】

[副](スル) 物の表面の手ざわりがなめらかでざらつきのないさま。「滑滑(と)した肌」
[形動]に同じ。「磨きこまれた滑滑廊下
アクセントベスベ、はスベスベ
[類語]するっとするするするりずるりつるりつるんつるつるのっぺり滑らか滑っこい平滑ぬっぺり平ら平たい平べったいのっぺらぼうずべら坊

ぬめ‐ぬめ【滑】

[副](スル)柔らかくなめらかで感触のよくないさま。「滑滑と光る」「滑滑(と)した液体
[類語]ぬるぬるぬらぬらぬるりぬめりぬらり

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

関連語をあわせて調べる

今日のキーワード

靡き

1 なびくこと。なびくぐあい。2 指物さしものの一。さおの先端を細く作って風にしなうようにしたもの。...

靡きの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android