臨界点(読み)リンカイテン(その他表記)critical point

翻訳|critical point

最新 地学事典 「臨界点」の解説

りんかいてん
臨界点

critical point

一般に二次の相転移の起こる転移点近傍では,ゆらぎが異常に大きくなり臨界揺動が起こるので,この二次相転移点を臨界点(温度)という。また圧力Pと比体積V座標軸にとると,臨界点以下のある温度に対応する等温線には,液相気相の共存に対応する圧力一定の直線部分がある。この直線部分は温度の上昇とともに狭くなり,臨界温度Tcでは変曲点となる。すなわち,(δPVT=0,(δ2P2VT=0となる。この点を臨界点という。Tc以上の温度では等温線は滑らかに変化し,液相と気相の区別はない。すなわち連続的な変化しか起こらない。このような臨界状態は臨界点を回って連続的に移行できなければならないから,液相と気相のように構成粒子構造の対称性が同一でなければ存在しない。臨界状態に近づくと液相と気相を区別していた密度のゆらぎが限りなく大きくなり,強い光散乱を引き起こし臨界蛋白光として観測される。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「臨界点」の意味・わかりやすい解説

臨界点
りんかいてん
critical point

純粋物質の状態図において蒸発曲線の高温側の端点のことをいう。蒸発曲線は三重点から始って,気相と液相とが熱平衡を保って共存する温度 (沸点) と圧力との関係を表わす曲線であるから,高温端の臨界点をこえた温度では気体をどれだけ圧縮しても液体とはならない。臨界点は物質に固有であって,このときの温度,圧力,密度は臨界温度,臨界圧力,臨界密度と呼ばれる物質定数である。たとえば,水素の臨界温度は-240℃であって,常温で水素をいくら圧縮しても液体とはならない。この意味で臨界温度が低い水素,酸素,ヘリウムなどは永久気体と呼ばれたこともある。

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岩石学辞典 「臨界点」の解説

臨界点

温度─圧力図の点で,この点上では液相と気相の区別が消滅する.水の臨界点は200気圧の圧力で375℃である.

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世界大百科事典(旧版)内の臨界点の言及

【液体】より

…つまり,状態図はまずは固体と気体に二分されていて,液体はそのはざまに気体に寄生する形で存在している。Tは三重点,Cは臨界点と呼ばれ,純粋な物質に固有の定点である。 1対の分子の相互作用が球対称のポテンシャルで表されるとき,分子が丸いという。…

【気体】より

…電気冷蔵庫やクーラーなどは,このような気体の性質を利用している。
[臨界点]
 温度を一定にして,気体の圧力pを体積Vの関数として図に示した曲線を等温線という。温度Tが臨界温度TCより十分大きな場合,pVとの関係は近似的に(1)式で与えられる。…

【状態図】より

…液相‐固相の境界線(融解曲線という)は,右上がりになるのがふつうであるが,水H2Oなどのように固体の結晶構造によって逆の傾き(図1の破線)をもつ場合もある。気相,液相,固相の三つの相が共存する点Aは三重点,気相‐液相の境界線(蒸気圧曲線)の端点Bは臨界点と呼ばれる。また気相‐固相の境界を昇華曲線という。…

【臨界状態】より

…臨界温度,臨界圧力は,各気体に特有なものであり,気体の量にはよらない。この温度,圧力における物質の状態(あるいは,より広い意味ではその付近の状態)が臨界状態であり,臨界状態が生ずる点を臨界点と呼ぶ。 臨界状態そのものは,1822年にフランスのカニャール・ド・ラ・トゥールCharles Cagniard de la Tour(1777‐1859)が発見したことになっているが,その意味が明らかになったのは,人工的な加圧液化の方法が確立された後である。…

※「臨界点」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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