行為・文書の存在とか,行為・文書の記載が正当な手続でなされたことを公に証明する行為。(1)憲法上の認証 天皇の国事行為の一種であって,国務大臣および法律の定めるその他の官吏の任免,全権委任状および大使・公使の信任状,大赦,特赦,減刑,刑の執行の免除,復権などの恩赦,批准書および法律の定めるその他の外交文書のそれぞれの認証を,天皇は国民のために,内閣の助言と承認によって行う(日本国憲法7条)。これら認証は,効力発生の要件ではない形式的行為である。天皇の認証を必要とする官吏を認証官と呼び,国務大臣,最高裁判所判事,高等裁判所長官,検事総長,次長検事,検事長,人事官,宮内庁長官,侍従長,特命全権大使・公使,会計検査院検査官,公正取引委員会委員長などがこれにあたる。認証官の認証にあたっては認証式が行われている。(2)その他の法律上の認証 商法は株式会社設立の際の定款につき公証人の認証を(商法167条),また宗教法人法は設立の際の規則につき所轄庁の認証を要求している(宗教法人法12~14条)。このほか,会計法によれば,支出負担行為が適正に行われているかどうかを審査し,正当性を確認するために支出負担行為認証官による認証が行われる(会計法13条の3)。
執筆者:横田 耕一
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法律用語としては、行為または文書の成立・記載が正当な手続でなされたことを公の機関が証明することを意味する。
(1)天皇の認証 天皇の国事行為の一つであり、国務大臣などの認証官の任免、全権委任状、大公使の信任状、大赦・特赦・減刑・刑の執行の免除および復権、批准書などに必要である(憲法7条)。形式的・儀礼的行為で、これを欠いても行為の効力に影響はない。
(2)一般の文書の認証 訴訟書類・戸籍書類・私署証書についてそれぞれ裁判所書記官・市町村長・公証人がなす。原本の認証は、その文書が名義人により作成されたものであることを公証し、謄本・抄本の認証は、その内容が原本と相違ないことを公証する。
(3)支出負担行為の認証 会計法上の観念で、支出負担行為認証官が支出負担行為の適正を確認する行為。
(4)さらに、学問上の認可に近い用法として宗教法人の規則の所管庁による認証。許可に近い用法として自動車分解整備事業の地方運輸局長による認証がある。
[阿部泰隆]
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