勝常寺(読み)ショウジョウジ

デジタル大辞泉 「勝常寺」の意味・読み・例文・類語

しょうじょう‐じ〔シヨウジヤウ‐〕【勝常寺】

福島県河沼郡湯川村にある真言宗豊山派の寺。山号瑠璃光山開創は大同2年(807)、開山徳一と伝える。薬師如来像は国宝薬師堂は重文。会津五薬師の中央薬師。

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精選版 日本国語大辞典 「勝常寺」の意味・読み・例文・類語

しょうじょう‐じ ショウジャウ‥【勝常寺】

福島県河沼郡湯川村にある真言宗豊山派の寺。山号は瑠璃光山。大同年間(八〇六‐八一〇空海草創とも、徳一の開山とも伝えられるが平安末期に荒廃鎌倉時代に入り御室仁和寺の玄海下向再建した。会津中央薬師

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日本歴史地名大系 「勝常寺」の解説

勝常寺
しようじようじ

[現在地名]湯川村勝常

会津盆地中央の田園中にあり、瑠璃光山と号し、真言宗豊山派。本尊薬師如来。弘仁元年(八一〇)徳一の開基と伝える。寺伝によれば、大同年間(八〇六―八一〇)空海が会津に来て薬師如来を刻み、会津の五ヵ所にこれを安置しようとしたが、途中で都へ帰ったため徳一が後を継いで完成させたという。会津五薬師は会津盆地の東西南北に配置され、当寺が中央を占めたという。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「勝常寺」の意味・わかりやすい解説

勝常寺
しょうじょうじ

福島県河沼郡湯川村勝常にある真言(しんごん)宗豊山(ぶざん)派の寺。瑠璃光(るりこう)山と号する。本尊は薬師如来(やくしにょらい)。会津五薬師のうち、当寺は会津中央薬師堂の名で知られる。また会津三十三観音(かんのん)霊場第1番札所。807年(大同2)法相(ほっそう)宗の徳一上人(とくいつしょうにん)が創建したといわれる東北地方の古刹(こさつ)で、盛時は七堂伽藍(しちどうがらん)を備え、多くの子院を有したが、天正(てんしょう)年間(1573~92)の兵火で衰えた。薬師堂(元講堂)は室町時代の建立で、国重要文化財指定されている。観音堂、本坊庫裡(くり)は江戸時代の建築である。東北地方には数少ない平安前期の仏像を多く蔵し、木造薬師如来および両脇侍像は国宝、聖観音立像、十一面観音立像、地蔵菩薩(ぼさつ)立像2躯(く)、四天王立像4躯、天部立像は国重要文化財に指定されている。

[野村全宏]

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改訂新版 世界大百科事典 「勝常寺」の意味・わかりやすい解説

勝常寺 (しょうじょうじ)

福島県河沼郡湯川村にある真言宗豊山派の寺。山号は瑠璃光山。空海の創建と伝えるが,徳一の開基寺であろうとされている。1525年(大永5),蘆名盛舜が寺領20貫を寄進。天正の伊勢氏侵攻により寺勢が衰えた。旧時の伽藍配置は不明。会津中央薬師といわれる薬師堂は,会津五薬師(ほかに東方慧日寺,西方日光寺,北方大正寺,南方火玉堂)の中央に当たるとされる。薬師堂は国の重要文化財で,ほかに多数の重文に指定されている仏像を蔵す。
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百科事典マイペディア 「勝常寺」の意味・わかりやすい解説

勝常寺【しょうじょうじ】

福島県河沼郡湯川村勝常にある真言宗豊山派の寺。会津を代表する古刹。807年草創,徳一の開基と伝えるが明らかでない。本堂(薬師堂)は室町時代の建築で,重要文化財。本尊薬師三尊像は一木造で,中尊の薬師如来座像は平安初期の重厚な作品。ほかに木彫の聖観音立像,十一面観音立像などがある。

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デジタル大辞泉プラス 「勝常寺」の解説

勝常寺

福島県河沼郡湯川村にある寺院。807年開創と伝わる。真言宗豊山派。本尊の薬師如来坐像および日光・月光菩薩立像は国宝に指定。

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世界大百科事典(旧版)内の勝常寺の言及

【湯川[村]】より

…JR磐越西線が通り,南の会津若松市と結ばれている。西部の勝常(しようじよう)にある勝常寺は平安時代初期,徳一の開基と伝えられ,会津五薬師の一つで,会津盆地のほぼ中央にあたることから〈会津中央薬師〉とも呼ばれる。薬師堂(重要文化財)内には,本尊の薬師如来座像など12体の仏像があり,東北地方にはまれな平安時代文化の宝庫として有名である。…

※「勝常寺」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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