デジタル大辞泉
「松山鏡」の意味・読み・例文・類語
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まつやま‐かがみ【松山鏡】
① 鏡を知らないことを
趣向とする笑話。親爺が
上方見物に行って鏡を見、父親がいると思って買って帰るが、娘が見て、若い女を連れて来たと思う筋の話。
②
越後国松の山の姫が、母に
形見にもらった鏡に映る姿を母と思ってなつかしんでいたという話。
③ ②の筋を
大伴家持に付合したもので、家持が篠原刑部左衛門と
改名、娘京子は形見の鏡で母をなつかしむが、
継母のいじめに耐えきれず、鏡ケ池に入水する話。
[2] 謡曲。五番目物。観世・金剛・喜多流。作者不詳。越後国松の山家の者が先妻の三年忌に
焼香のため
持仏堂に行くと、姫が何かを隠すのでこれを怪しむ。しかし、姫が、母の形見の鏡に映る自分の姿を母と思って追慕していたことがわかり、鏡のいわれを教えてやる。そこに母の
亡霊が現われ、
倶生神がこれを追って来るが、姫の回向する
功徳によって母は成仏し、倶生神も地獄へ帰る。
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松山鏡
まつやまかがみ
落語。原話は仏典の『百喩経(ひゃくゆきょう)』にあり、中国明(みん)末の笑話集『笑府』に入り、日本で民話になった。能『松山鏡』、狂言『鏡男』も成立し、類話が各地に残るが、その落語化である。越後(えちご)の松山村の正助は、親孝行で領主に褒められ、望みの品を問われたので、亡父に会いたいと答えた。そのころ村に鏡がなかったので領主は鏡を与えた。正助は鏡に写る自分を父と思って、ひそかに日夜拝んでいた。女房が不審がり、夫の留守に鏡を見ると女の顔が写るので、けんかになった。比丘尼(びくに)が仲裁に入り鏡をのぞき「二人とも心配しなさるな。中の女は、きまりが悪いといって坊主になった」。8代目桂文楽(かつらぶんらく)が得意とした。
[関山和夫]
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松山鏡
古典落語の演目のひとつ。「鏡のない国」「鏡のない村」とも。上方では「羽生村の鏡」として演じる。八代目桂文楽が得意とした。オチは間抜オチ。主な登場人物は、尼、夫婦者。
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松山鏡
まつやまかがみ
歌舞伎・浄瑠璃の外題。- 初演
- 明治31.11(大阪・中座)
出典 日外アソシエーツ「歌舞伎・浄瑠璃外題よみかた辞典」歌舞伎・浄瑠璃外題よみかた辞典について 情報