適性(読み)テキセイ(英語表記)aptitude

翻訳|aptitude

デジタル大辞泉 「適性」の意味・読み・例文・類語

てき‐せい【適性】

性格性質が、その物事に適していること。また、その性格や性質。「適性を見る」「適性に欠ける」

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「適性」の意味・読み・例文・類語

てき‐せい【適性】

〘名〙 性質・性格にかなうこと。また、ある事がらに適した性質。
道路交通法(1960)九七条「自動車等の運転について必要な適性」 〔張華‐環材枕箴〕

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

改訂新版 世界大百科事典 「適性」の意味・わかりやすい解説

適性 (てきせい)
aptitude

ある特定の職業学業を効果的に遂行するのに必要な能力技能を,個人特性の問題としてとらえる際に用いられ,その潜在的可能性や将来の成功度予測が,そこで論議される。たとえば入学試験は,広い意味での適性検査で,そこでは受験者の学力について入学後学業に耐えうるかどうかの可能性が測定される。またさまざまな適性検査(職業適性検査進学適性検査レディネステストなど)が開発され,個人の潜在的可能性の予測のために用いられている。しかし現実には,ある特定の職業や学業に従事する前に,その仕事を効果的に遂行できるかどうかを測定し,予測することはきわめてむずかしい。それは,予測とはいっても,可能性を直接測定することはできず,現在の力から判断せざるをえないことから,すでに学習した知識や技能によって,その結果が左右されるからである。その点からいえば,適性検査と学習結果をはかるアチーブメント・テストとを完全に区別することはできない。最近では適性を単なる知識や技能の側面だけではなく,意欲や人格的な要因も加味してとらえるようになってきているが,これも仕事に対する興味や関心の強さやその仕事を遂行するのに必要な人間関係を保持できる力などのほうが,将来の職業などで自己の能力を発揮できるかどうかに影響があることがわかってきたからである。また適性を〈ある課題の学習のために子どもによって必要とされる時間量〉とする学者もあるように,適性を固定的で素質的な因子によるよりも,教授や学習によって変わりうるものととらえる考え方も広まってきている。もちろん,ある特定の職業や学業を遂行するには,それを遂行できるだけの一定の基礎的能力が必要である。しかし,教育的観点からみれば,適性とは教育的働きかけのなかで初めて養われ,その可能性が開花してくるのである。したがって早過ぎる判断に基づく〈適性に応じた教育〉には慎重であったほうがよい。適性は,つねに教えた後に結果としてわかる部分をそこに含んでいるのである。
職業適性
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

普及版 字通 「適性」の読み・字形・画数・意味

【適性】てきせい

性情にかなう。晋・張載〔酒(れいしゆ)の賦〕志を宣し、氣をき形をふ。憂ひを(わす)れ患をし、性にに順(したが)ふ。

字通「適」の項目を見る

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

百科事典マイペディア 「適性」の意味・わかりやすい解説

適性【てきせい】

特定の職業,教育,訓練,芸術的活動などにおいて,将来成功し得る可能性の存在を示すような徴候群をいう。普通,体格,体力,感官的機能,知的機能,特殊性能,性格特性などの総合によって診断される。職業上の適性である職業適性,上級学校における履修能力の程度を示す進学適性などがある。→適性検査

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「適性」の意味・わかりやすい解説

適性
てきせい
aptitude

就学や就職など人の進路を決めるときに考慮されるべきその個人の適応可能性。将来の訓練によってその職業あるいは教育にとって必要な能力を習得することができるか否かがその目安とされ,体格,運動機能,感官機能,一般知能,特殊能力,性格などによって総合的に判定される。必ずしも遺伝的,先天的な資質,才能には限定されない。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android