デジタル大辞泉
「アウロス」の意味・読み・例文・類語
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
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アウロス
aulos[ギリシア]
2本の管をV字形につないだ複簧の管楽器。古代ギリシアではリラやキタラとともに最も重要な楽器とされた。円筒形の管はアシと銅(ピンダロスの《ピュティア頌歌》にみられる),木,骨,象牙などで作られ,2本同時に吹き鳴らす。前6世紀からローマ時代まで4~15個の指孔をもつものが使われ,音域は2~3オクターブに及ぶこともあった。リラやキタラが太陽神アポロンを象徴する楽器として使われたのに対し,アウロスが情熱や陶酔をあらわすディオニュソス的な要素をもつものとみなされたのは,その激しい音色のためである。宗教的な行事,競技,体操,娯楽の催物から,軍隊の行進にいたるまで,独奏,合奏,伴奏用の楽器として欠くことのできない用途を担い,一時はキタラをしのぐほどであった。
執筆者:高野 紀子
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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アウロス
古代ギリシアの管楽器。リラやキタラとともに重要な楽器とされた。小アジアが起源。対になった2本の管から成る。1枚の切り出しリードのものが標準的であったが,ダブル・リードのものも存在したと思われる。大きな音がするため,人を興奮させるディオニュソス的要素をもつとされた。宗教的な行事,競技,体操,娯楽などの催物,軍隊の行進にいたるまで,あらゆる分野で,独奏,合奏,伴奏に用いられた。
→関連項目行進曲
出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報
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アウロス
あうろす
aulos
古代ギリシアの気鳴楽器。2本の管からなるダブルリード楽器。起源は小アジアといわれ、今日のバッグパイプのような甲高く突き刺すような音色をもっていたと思われる。弦鳴楽器キタラが太陽神アポロンの古典的明澄性の象徴として、おもに叙事詩や叙情詩の伴奏に用いられたのに対し、アウロスはその熱狂的な音色のため、ディオニソス祭をはじめ、それから発展した悲劇のなかの合唱の伴奏などに用いられた。なお、アウロス奏者サカダスのつくった『ピューティアのノモス』(前586)は、標題音楽の最古の例として知られている。
[岡田暁生]
出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例
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アウロス
aulos
管楽器の一種。古代ギリシアからローマ時代に最も普及したダブル・リードの木管楽器。2本の管をもつものが普通。元来オリエント起源の楽器で,太陽神アポロの楽器キタラとは対照的に,ディオニュソスやマルシュアス神に結びつけられ,官能的な響きを特徴とした。
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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世界大百科事典(旧版)内のアウロスの言及
【アルグール】より
…また一方の管の長さや指孔の位置・数が異なり,ドローンの役目をするものもある。この素朴な双管クラリネットは古代ギリシアの双管のアウロスに類似しており,また古代エジプトでも同様な管楽器が用いられていたことが知られている。【柘植 元一】。…
※「アウロス」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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