日本大百科全書(ニッポニカ) 「アウロス」の意味・わかりやすい解説 アウロスあうろすaulos 古代ギリシアの気鳴楽器。2本の管からなるダブルリード楽器。起源は小アジアといわれ、今日のバッグパイプのような甲高く突き刺すような音色をもっていたと思われる。弦鳴楽器キタラが太陽神アポロンの古典的明澄性の象徴として、おもに叙事詩や叙情詩の伴奏に用いられたのに対し、アウロスはその熱狂的な音色のため、ディオニソス祭をはじめ、それから発展した悲劇のなかの合唱の伴奏などに用いられた。なお、アウロス奏者サカダスのつくった『ピューティアのノモス』(前586)は、標題音楽の最古の例として知られている。[岡田暁生] 「アウロスを演奏する男性像」 出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例
ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「アウロス」の意味・わかりやすい解説 アウロスaulos 管楽器の一種。古代ギリシアからローマ時代に最も普及したダブル・リードの木管楽器。2本の管をもつものが普通。元来オリエント起源の楽器で,太陽神アポロの楽器キタラとは対照的に,ディオニュソスやマルシュアス神に結びつけられ,官能的な響きを特徴とした。 出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報