出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
旧約聖書の〈モーセ五書〉の第4番目の書。表題は,内容に人員調査が含まれているところから,〈数〉を表すギリシア語訳《Arithmoi》からきている。第1部はシナイでのできごとで,人員調査(1~4),聖所の奉献(7),レビ人の聖別(8)。第2部は荒野でのできごとで,イスラエルがシナイを出立し(10),荒野を横切り,40年の間放浪したこと(11~14,16~17,20)。第3部はエドム,モアブでのできごとで,トランスヨルダン,モアブの国境に達したこと(21),バラムの祝福(22~24)とペオルの背信(25),人員調査(26),モーセによる土地分割の規定(27,32,34~36)。ミデアン部族に対する復讐(31),エドムからヨルダンの端までの行進のまとめ(33)を記す。イスラエルが砂漠に滞在したこの時期は重要な宗教経験の時期であり,多くの問題をかかえつつ,常に前進する独特な民族としての歴史を述べる。
執筆者:西村 俊昭
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
『旧約聖書』の冒頭にあるモーセ五書の第四書。書名は、2回にわたって民の人員を数えた(1、26章)ことに由来する。ユダヤ教での別名「荒野にて」が示すように、内容は、イスラエルの民がシナイ山で神の掟(おきて)を授けられたのちそこを出発し、約束の地カナンへ入るまでの40年間荒野を放浪した物語。構成は、シナイ山での神との契約(1~10章)、シナイ山からモアブまでのさすらいの生活(11~21章)、カナン侵入を前にしてモアブでの諸準備(22~36章)。随所に浄(きよ)めや祭儀の規定、古いバラム物語などを含む。荒野の生活は苦しい試練の意味をもち、外敵との戦い、食糧や水の欠乏などの困難にあった民が、現在の困窮のなかの自由よりもかつての安逸な奴隷状態を懐かしみ、指導者モーセに対して不平、反逆を繰り返すが、モーセはそれらの苦悩を一身に負いつつ民を訓練していく。過去の歴史を通して、人間の罪と、それに勝る神の忍耐と愛を示す目的で記された書。
[清重尚弘]
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