カッシウス(その他表記)Cassius Longinus, Gaius

デジタル大辞泉 「カッシウス」の意味・読み・例文・類語

カッシウス(Cassius Longinus)

[?~前42]ローマの将軍。カエサル暗殺首謀者の一人。のち、アントニウスと戦って自殺。カシウス

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精選版 日本国語大辞典 「カッシウス」の意味・読み・例文・類語

カッシウス

  1. ( Gaius Cassius Longinus ガイウス━ロンギヌス ) ローマの政治家。紀元前四四年、ブルートゥスらとともにカエサルを暗殺。ローマを追われフィリッピの戦いに敗れて、自殺。前四二年没。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「カッシウス」の意味・わかりやすい解説

カッシウス
Cassius Longinus, Gaius

[生]?
[没]前42. マケドニア,フィリッポイ近郊
古代ローマの政治家。ユリウス・カエサル暗殺の主謀者。前 53年財務官 (クアエストル ) となり,シリアでパルチア軍と戦う。ポンペイウス (大ポンペイウス) を支持してカエサルと戦ったが,のち許されて,前 44年執政官 (コンスル ) に任じられシリア総督職を約束された。しかし同年カエサル暗殺に参加,民衆不評からローマを退去し,シリアで大軍を集めて元老院任命の総督を打ち破った。前 43年第2次三頭政治が成立すると M.ブルーツスとともに小アジアでこれに反抗,翌年 M.アントニウスに敗れて,自殺した。

カッシウス
Cassius Longinus, Quintus

[生]?
[没]前47
ローマ共和政末期の政治家。前 54年ポンペイウス (大ポンペイウス) のもとヒスパニアで財務官 (クアエストル ) をつとめ,悪名をはせたあと,ユリウス・カエサル側に寝返った。カエサルによってヒスパニア総督に任じられたが,属州民と軍隊反乱にあい,後任者到着後,退去したが,エブロ河口で難船により死んだ。

カッシウス
Cassius Vecellinus, Spurius

前6~5世紀に活躍したローマの政治家。パトリキ (貴族) 出身。3度執政官 (コンスル ) となり,前 502年サビニ人を破り,前 493年ラチニ人と相互防衛同盟カッシウス条約を結んだ。一説によればプレプス (平民) のために農地法を提案し,パトリキらの反対にあい処刑されたという。

カッシウス
Cassius Longinus, Ravilla

前2世紀頃のローマの政治家。前 137年護民官 (トリブヌス・プレビス ) ,前 127年執政官 (コンスル ) ,前 125年戸口総監 (ケンソル ) を歴任。民会の裁判の秘密投票を立法化。水道工事,適格調査などに業績を残した。前 113年ウェスタ女神を祀る3人の尼僧の不貞事件の審査官となり,彼女らを断罪した。

カッシウス
Cassius Longinus, Lucius

前1世紀頃のローマの政治家。ユリウス・カエサルを暗殺した G.カッシウスとは兄弟であったが,カエサル派で暗殺にも加担しなかった。オクタウィアヌス (アウグスツス) を支持したが,前 43年アシアに逃れ,前 41年には M.アントニウスを支持した。

カッシウス
Cassius, Hemina

前2世紀頃のローマの年代記編者。初期イタリア時代とローマの建国から第2次ポエニ戦争までの歴史を第3次ポエニ戦争直前に書いた。彼の関心はイタリアの起源および語源,社会,宗教の故事にあった。

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改訂新版 世界大百科事典 「カッシウス」の意味・わかりやすい解説

カッシウス
Gaius Cassius Longinus
生没年:?-前42

共和政末ローマの政治家。カラエの敗戦経験後,属州シリアをパルティアから防衛。内乱ではポンペイウス派に属した。赦免され,前44年プラエトル在職中ブルトゥスらとカエサル暗殺を組織した。決行後シリア方面に逃れて軍備を整え,ブルトゥスと合流してマケドニアのフィリッピでアントニウス=オクタウィアヌス軍と会戦(前42)し敗死。独裁者への憎悪は,幼時のスラ子息殴打事件の挿話からも知られる。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「カッシウス」の意味・わかりやすい解説

カッシウス
かっしうす
Gaius Cassius Longinus
(?―前42)

古代ローマ、共和政末期の政治家、将軍。カエサル暗殺の首謀者の一人。M・J・ブルートゥスの義兄弟。カエサル、ポンペイウスの内乱ではポンペイウス艦隊を率いたが、のちカエサルに赦(ゆる)されて、諸官職を歴任し、紀元前44年には法務官に任ぜられた。共和政的な伝統護持の立場から、ブルートゥスたちと組んで、前44年3月15日、カエサルを暗殺した。その後は、ローマ民衆の厳しい敵対心のため逃れて、シリアで勢力を蓄えたが、ブルートゥスとともにアントニウス、オクタウィアヌスの連合軍とフィリッピで戦い、その第1回目の戦闘で敗死した。ブルートゥスに比べると現実的で洞察力に優れたが、人望は薄く、影響力も小さかった。

[長谷川博隆]

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山川 世界史小辞典 改訂新版 「カッシウス」の解説

カッシウス
Gaius Cassius Longinus

前83?~前42

ローマ共和政末期の政治家。カエサル暗殺者の一人。内乱ではポンペイウス側についたが,カエサルにゆるされた。ブルトゥスとともにカエサル暗殺の首謀者となったが,フィリッピの戦いに敗れて自殺した。

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世界大百科事典(旧版)内のカッシウスの言及

【カエサル】より

…また前45年1月1日から太陽暦(ユリウス暦)を採用している。しかし,権力・栄誉を一身に集中したため,共和政護持派のブルトゥス,カッシウスらに前44年3月15日,元老院議場で暗殺された。 雄弁家・文人としても第一級の人物であったが,演説の草稿,書簡,パンフレットは散逸し,現存するのは,簡潔な文体,的確な現実把握の点でラテン文学の傑作といわれる《ガリア戦記》《内乱記》のみである。…

※「カッシウス」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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