カフィエリ(読み)かふぃえり(英語表記)Jacques Caffieri

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「カフィエリ」の意味・わかりやすい解説

カフィエリ
Caffièri, Jacques

[生]1678.8.25. パリ
[没]1755. パリ
フランス彫刻家,鋳金家彫金家。彫刻作品はメッキの装飾的胸像が多い (作例『ブザンバル男爵像』) 。装飾デザインにすぐれ,シャンデリア,置時計,家具の装飾金具の制作,室内装飾の分野で活躍,はなやかなフランス・ロココ様式を示す。イタリア出身で 1660年にパリに移住し,ル・ブランのもとで仕事をした彫刻家フィリップ・カフィエリ (1634~1716) の5男。ほかの兄弟および子供 (J-J.カフィエリ ) たちも彫刻家ないし工芸家。

カフィエリ
Caffièri, Jean-Jacques

[生]1725.4.29. パリ
[没]1792.6.21. パリ
フランスの彫刻家,鋳金家,彫金家。 J.カフィエリ息子。 1748年ローマ大賞を獲得し,59年アカデミー会員となる。 57~89年のサロン出品作風はロココ調で『ラモー像』『コンデ公王子像』など胸像が多い。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「カフィエリ」の意味・わかりやすい解説

カフィエリ
かふぃえり
Jacques Caffieri
(1678―1755)

フランスの金工家。バロック後期からロココ初期にかけて活躍し、ブロンズ鍍金(ときん)した装飾彫刻、金具などに優れ、ルイ王朝様式、ルイ15世様式における代表的作家として宮廷愛顧を受けた。とくにベルサイユ宮「時計の間」の置時計は、傑作として名高い。その子フィリップPhilippe Caffieri(1714―74)もルイ15、16世治下に活躍、多くの装飾作品を手がけた。

友部 直]

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